論評:正論8月号「医療現場で実感した緊急事態条項の必要性」(寄稿者 松本 尚)

「正論8月号」に友人の松本 尚君が寄稿しています。

3月末から千葉県の新型コロナウイルス対策本部内「医療調整本部」に入り、病床の確保、施策立案等に奔走した経緯と、その間、彼が痛感した危機管理体制の不備や医療再構築の必要性を、素人にもわかる平易な言葉で論じています。

行政の意思決定が遅かったために幻に終わった「幕張メッセ臨時病院」。
フル稼働する姿を見たかった気もします。

彼がよく嘆いているのは、緊急時における危機管理対策の決定・行動が迅速ではなかったこと。
県庁内の縦割り行政と指揮命令系統の曖昧さが諸悪の根源と断じています。

リーダーシップが欠如し、プロセス・手続きばかりにこだわる。
決断をする者がいない、しかしメンツを気にする。
そういった体質の組織ではいざという時には機能しないのです。

一方、いつも辛口の彼にしては珍しく、褒めるところは褒めています。
県庁の職員、保健所の方々はコロナ危機に際して本当に身を粉にしてがんばっていたと称賛しています。

以下、人生訓としても十分通用にする、彼の主張を挙げておきます。

“非常時には誰かが腹を括って責任を取らねばならない”
“大胆な発想と迅速な意思決定が危機管理には大事である”
“憲法を改正して緊急事態条項を設けよ”
“医療資材の中国依存は一刻も早く是正せよ”
“コロナ対応を踏まえて、大きな医療の地図を描け“

論調は医師の域を越え政治家です(笑)。

“このときほど自分が知事になりたいと思った時はない”と堂々と公言していますから、案外彼の第二の人生は政治の道かもしれません。
それもまた良し。
非常に良い内容でした。