コロナウイルス禍でいろんな職種が大変なピンチになっているが、農業に関してはピンチがチャンスになると思う。
輸入農産物が非常時に臨んでまったくあてにならないことがはっきりした。
海を越えた食料依存がいかに危険か、肌身に染みて感じられた。
これからは国内生産を中心とした食の世界を再生産すべきだという考えに反対する人はいないだろう。
マスクは中国に依存していたために最後まで振り回された。
極度の品薄を強いられ、値を釣り上げられ、品質不良品をつかまされ、挙句の果てには暴落して大損する輸入者が続出した。
これが食料で起こったらいったいどんなパニックが起こるだろう。
(以下は佐藤勝氏が日本農業新聞に寄稿した文)
時代はグローバリゼーションからインターナショナルへ。
グローバルとは国境、民族の壁がない状態。
他方、インターナショナルは国境の壁があり、国家間で協力し合う体制だ。
必要な規制は残り、農業も安全保障上、絶対に必要になる。
(中略)
これからは重農主義の時代だ。
歴史の振り子は揺れる。
安土桃山時代は重商主義、江戸時代は重農主義、過去30年の日本は重商主義に傾き、今や振れ過ぎて新自由主義だ。しかし、マスクも重農主義の精神があれば不足にならなかった。自分たちも大事なものは自分たちで作ると。
これは国家が生きてい行くための必然だ。
食料自給率37%の現実。
80%まで高めなければ中国依存からは脱却できない。
国家の非常時には国のお金をじゃぶじゃぶ突っ込むことを今回学んだ。
食料の安全保障も今のうちに手を入れておかなければならない。
お米や野菜が出来上がるのはマスクを作り上げるより何倍も時間がかかる。
これからは農業の時代だ。
否応なしに、そうもっていかねばならない。
農業はチャンスだ。