梅雨は明けたものの

ようやく北陸地方も梅雨が明けた。
例年に比べ9日も遅い梅雨明けとなり、7月は記録的な日照不足となった。
これは、太平洋高気圧が張り出さず、梅雨前線が日本付近に停滞したことが原因だ。

熊本を中心に九州地方を豪雨が襲った。
長野県・岐阜県も大きな被害を受けた。
これが7月の前半まで。
気象庁は「令和2年7月豪雨」と名前を付けた。

さすがに梅雨の被害は峠を越えたかと思ったら、月末に山形を中心にまた大雨となった。
最上川が氾濫するという事態に。
災害は一連の梅雨前線の活動によるものであり、「7月豪雨」の対象に山形の件も含めることになった。

青果物に関しては、九州はだいたい出荷が終わっていた産地が多く、当市場にはあまり影響がなかった。
しかし、長野は困った。今でも影響が残っている。
白菜、レタスが乱高下した。
品質的にも問題が多く出た。

山形も困った。
西瓜がこれからという時だった。
ナス、枝豆も山形県産がこれから盛りというタイミングだった。

ただの偶然に違いない。
しかし、なんでそこだけ集中して?というケースは枚挙にいとまがない。
極めて意地悪で残酷な、大いなる意思が働いているとしか思えない天の采配が過去何度となく繰り返してきた。

今まで何ヶ月にもわたり手塩にかけて育ててきた“成果物”が、一瞬にして価値ゼロになってしまう仕打ちはあまりにもむごいものだ。

今回は梅雨の雨による被害だ。
たかが梅雨である。
誰が「令和2年7月豪雨」が起こると予測できたろうか。
梅雨ごときで7月豪雨があるなら、8月○○、9月●●も十分にあり得る。

7月はついに台風が一つも発生しなかった。
梅雨が明けると今度は連日の猛暑が来る。
台風も発生しやすくなる。
この先、悲劇が起きない保証など全くないのがやるせない。

いつ何どき災害が起こるかわからない。
それは昔から変わらぬ真実だが、現代は毎年が異常気象であり、昔よりも突発的な災害が起こる危険性が格段に高まっている。

それを見越した農政がこれから必要だ。
後追いだけではもはや対応できない時代ではなかろうか。