救急車に乗ってしまった

今朝、救急車に乗ってしまいました。

母が深夜にベッドから落ち、その際に膝を痛めたらしく、かなり痛がりました。
自分では立ったり歩いたりできない状態です。
とにかく病院に連れて行かねばなりませんが、人間の体とはなんと重いものでしょうか。
150㎝ほどの小柄な母ですが、私と妻の二人がかりでも容易には動かせませんでした。

やむなく、救急車を呼ぶことにしました。

救急車を家に呼ぶのは周囲がざわざわするので気が引けます。
本当の緊急事態ならともかく、今回はそう切羽詰まったものではない-母は膝が痛くて動けなくても、意識そのものはまったく普通-からです。

でも他に病院に運ぶ術はないので、仕方なく119番しました。
さすが救急車。ほんの数分でピーポーピーポーが聞こえてきました。
ただしそれから出発したのは30分以上後となりました。

その理由は、患者の状態を正しく把握するための情報収集に時間を要するためです。
患者はどういった病気・ケガで救急車を呼んだのか。
症状の状態はどうなのか。
どこの病院が受け入れ可能か。

まず車に乗せる前にあらかた聞き出し、乗せてからも改めて視認とヒアリングを受けました。
まあ、その後の治療を適切に行うために当然といえば当然です。
でも一方で、生死の境をさまよい一刻も猶予のないような患者の場合はどうするんだろう、という疑問も湧きました。

で、私は家族の者代表として救急車に一緒に乗った次第です。
救急車に乗るのは確か3度目だと思います。
最初は自分自身が交通事故に遭った小学3年生のとき。
2度目は3年前。母が脳梗塞で倒れたとき。

50年ほど前の救急車のイメージと今はほとんど変わっていません。
今ではバタンと一瞬でキャスター+足が飛び出し、折りたたんですぐ車に収容できる移動式ベッドで、これは技術の進歩でしょうが、ベッドはやっぱり固めで狭いものです。

幸い、母はすぐに受け入れ病院が見つかり、1時間ほどの間には応急の検査・治療も終えてとりあえずの入院となりました。
コロナウイルスの院内感染を防ぐため、今やどこの病院でも面会は家族でさえもできないそうです。

これから退院までどのくらいかかるのか現時点ではまったくわかりません。
が、別れ際、母が「ああ、これでちょっとゆっくりできるわぁ」となんだかバカンスに入る人ような物言いをしたのが妙におかしく感じられました。
まあそれほど心配するほどではなさそうです。
救急隊の方々には申し訳なかったなと思いつつ。

【今日の教訓】
救急車は救急でなくとも呼ばねばならぬこともある。