与信管理を帝国データバンクに習う

8月18日(火)
今日、帝国データバンクの花出さんに会社に来ていただきました。
与信管理についていろいろと教えていただくためです。

取引先の情報を収集し、その信用性や動向を予測・分析し、貸し倒れが起こらないよう取引額を調整し、損失を抑えながら販売代金を回収できるよう管理することを「与信管理」といいます。

恥ずかしながらわが社は、今まで与信管理らしいことはほとんどしてきませんでした。
それは、卸売市場特有の決済システム「代払い制度」に守られてきたからです。

卸売会社の主たる販売先は仲卸業者と売買参加者であり、それぞれが組合を設けています。
各業者は、卸売業者からの買受代金を組合の管理する口座を通じて支払います。
もし万一、買受業者に未払いが発生した場合、組合が肩代わりして卸売会社に支払います。
組合が代行して支払うから「代払い制度」です。

つまり、今まで卸売会社は取りっぱぐれが基本的にはなかったわけです。
だから与信管理そのものも必要なかったのでした。

ところが、先の卸売市場法改正及び業務条例改正により、第三者販売が可能になりました。
第三者販売とは、仲卸や売買参加者でない外部の業者への販売です。
第三者販売に代払いはありません。
今のところ当社は、改正前とまったく変わらない相手先への販売ですが、今後ずっとそれが不変かはわかりません。

また、今まで「兼業」というくくりで「卸売」とは区別して、港にあるバナナなど輸入品を他市場の卸売会社に転売する行為をしてきましたが、市場法の「開設区域」の概念がなくなるのに及び、これを「卸売」に組み込むべきだという指摘を開設者からいただいており、もしそうなれば今までの「兼業」は第三者販売による「卸売」となります。

なので、与信管理は今後避けて通れず、遅まきながら勉強を始めようとした次第です。

帝国データバンクの花出さんはPHP経営者友の会で一緒に勉強してきた仲であり、人柄も信頼でき、私のこともよく理解して下さっているので、素直に「与信の仕方についてゼロから教えて」とお願いしました。

いろいろとレクチャーされ気付いたことは、天下の帝国データバンクは超一流の経営コンサルタントであるということです。
今まで私が持っていた帝国データバンクのイメージは、何やら勝手な評価基準をもって何万という会社を査定し、その情報を他企業に売りつける、というものでした。

それは誤った認識だったようです。
もちろんそういう査定の分析データを持ちつつも、与信管理としてその企業がどういう仕組みを構築していくのが貸し倒れを起こさない上でベストか、というアドバイザーとしてのサービス業務を提供する会社であるようです。

与信管理のポイントは、仕組みを構築して、仕組みによって運用すること。
担当者が誰に替わろうとも、その者の主観的な判断や迷いに左右されることのない与信管理とすることが大事であると知った次第です。