■週の概況 第35週 8/24(月)~ 8/29(土)
【全体】
ここ数週間、野菜の異常高値が続きましたが、お盆休みを境にして大きく転換を見せています。最も顕著なのは根菜・土物類で、高騰していた馬鈴薯・玉葱は北海道産の潤沢な出回りにより今や平年より安い価格帯に。その他品目も下げ傾向のものが多く、野菜全体の市況は平年並みのレベルに下がりました。梅雨明け以後は連日の晴天・猛暑で生育は回復し、これからは大きく増量するという想定のもと、積極的に攻める販売姿勢が必要となりそうです。
40度を超える地域も出たほどの猛暑でこの週も厳しい残暑となります。この週、消費面では8月31日の「野菜の日」をめがけて各店が様々な企画で競い合う週となりますが、今までの高値感が足を引っ張り、今一つ盛り上がりに欠けているのが現状です。暑さで食欲が減退しているのも一因でしょう。キャベツ、トマト、胡瓜などサラダ食材を中心に、消費を喚起したいところです。
【野菜】
葉茎菜類ではレタス・白菜の量が回復し、価格は大きく下げ予想。キャベツはまだ高値感残りますが、やはり下げ傾向です。ほうれん草や小松菜など菜類は前週ですでに安値になっており、むしろこの週は反発する可能性あり。菌茸類は猛暑により消費減退で価格も弱い中、松茸は中国産の安定した入荷を見込みます。
果菜類は比較的相場が保たれています。トマト、ミニトマトは需要期となり地物も始まって増量となります。胡瓜は堅調で、作型の端境期もあって強気配です。量が少なく高値感のあったナスやピーマンはやや増量を見て下げる見通しです。コロナウイルスの第二波の影響で業務・外食需要は再び低調となり、香辛妻物類は販売が苦戦です。
大根は数量少ないものの引き合いも弱く、価格は平年並みです。1ヵ月前は高騰していた人参ですが、今やすっかり落ち着いてしまった感あり。馬鈴薯は潤沢かつ猛暑で消費も鈍く弱含みです。玉葱も同様に需要を大きく上回る入荷数量で安値展開ですが、用途が広く馬鈴薯よりは動きがいいようです。蓮根とさつまいもは、品目自体は非需要期ながら、加賀野菜の二大品目の入荷スタートとあって、販売拡大が期待されます。
【果実】
国内果実は総じて例年より作況が悪く、数量不足の単価高傾向が見られます。その筆頭は石川県産の梨で、小玉傾向でもあり、主力の幸水は入荷減少が続いています。モモは各産地例年より切り上がりが早く、やはり不足感があります。例外は大粒系のぶどうで、巨峰は露地栽培への切り替わりで増量予定。ルビーロマンはこの週より出荷が本格化し、例年より500g~600g房の比率が高く、大房が少なめの感はありますが、単価的にはこなれてきます。愛知県産のイチジクは連日の入荷ですが、高温により数量が伸びません。ハウスみかんはグリーンハウス中心の入荷となり、りんごは地物に加え長野県産も若干の入荷を見込みます。
輸入果実では、フィリピン産が中心のバナナはやや入荷不安定であり、パインは小玉傾向です。南半球からのシトラスは安定した入荷です。米国産ハネデューメロンは食味良く潤沢な入荷を見込みます。NZ産キウイはグリーン・ゴールドともに安定して提供できます。