全国生鮮流通フォーラム・オンライン

全国生鮮流通フォーラムがオンラインで開催

本日13時から「全国生鮮流通フォーラム」がインターネット上で開催されました。
例年ですと東京会場で行われている青果卸売業者向けの情報交換会ですが、今年はコロナウイルスの影響によりオンラインでの開催となったものです。

地方の人間として、この流れは歓迎すべきものです。
今までは、時間とお金(交通費)の壁でおいそれとは出張に行けませんでした。
すると“情報は東京に集中する”に拍車がかかります。

こういう講義やセミナー形式の会合は、オンラインで十分です。
むしろ、チャット形式を使えば、傍聴者でも今まで以上にモノが言えます。
「ウイズコロナ」という言葉が最近やたらと使われていますが、この動向はコロナが収束しても戻らない分野かもしれません。

内容その一
『改正卸売市場法の施行と今後の食品流通の合理化の推進について』
農林水産省 食料産業局食品流通課卸売市場室長 金澤 正尚 氏

あの優秀だった武田室長の後を継いだ金澤氏。
名前はいいですね(笑)。
でも、初お披露目のこの日はやや無難すぎた感があり、「私はまだまだ勉強中です」と慎み深い発言が主で、踏み込んだ内容はなかったようです。

内容その二
『市場法改正による課題として|経営課題として|コロナ問題』
大都魚類株式会社 取締役社長 網野 裕美 氏
聞き手:市場流通ジャーナリスト 浅沼 進 氏

天下の大都魚類の代表取締役は、さすがに堂々とされていました。
このコロナ下でもチャンスはあると思ってらっしゃるところがさすがでした。

内容その三
『市場法改正による課題として|経営課題として|コロナ問題』
横浜丸中ホールディングス株式会社 代表取締役社長 原田 篤 氏
聞き手:市場流通ジャーナリスト 浅沼 進 氏

個人的にはこの日のメインイベント。
尊敬する原田社長のインタビューです。

○なぜ横浜のシェアが高くなったのか。(810憶、日本第3位)
・地元のスーパーをしっかり押さえたのが成功。
・南部市場や藤沢を物流の拠点として使ってもらった。
・地場野菜の品揃えを増やした。(藤沢湘南野菜)

○卸売市場法改正の評価
・グレーな部分がクリアになったので評価している。
・やるべきことは今までと変わらない。
・自己買受はあくまで税務対策である。できるだけ早い方いいということで7月1日から始めた。
・正しいかどうかはわからない。が、できることをやった。
・グループの中に物流会社があることで利益を作っていく。
・商物分離の活用。市場間転送の運用は一番重要だ。
・動線の使い方が重要。豊洲は下から入って上から出ていく。福岡もわさわさせずに入口と出口がきちんと区別されている。
・データシステムについては業界全体で考えなければならない。
・コロナでコミュニケーションが少なくなった。が、産地との交流は大切。なんでもかんでも産地に行くのではなく、いいコミュニケーションを増やす。経費もかけずにやるいい機会。
・分荷の仕事に女性を活用する。今や15人ほどになっている。今まで以上にチームとしてやっていく。
・ホールディングスにして5年たち、課題も見えてきた。管理部門は一つにした。でも、3社に社長がいるので今はその会社間の意思疎通がボトルネックにならないようにするのが次なる課題だ。

一つ一つがごもっとも。
これからも原田社長の試みに注視しなくてはならない。