■週の概況 第37週 9/7(月)~ 9/12(土)
【全体】
野菜は平年並みの価格に戻し、むしろ安いと感じる品目が多々ある一方、果実は逆に数量が少なく、例年より単価高の品目が目立ちます。消費面では、朝晩の涼しさが増してきて人々の嗜好に明確な変化が見られます。異常な酷暑が続き、食欲旺盛とはまだ言えないながら、煮炊き商材の引き合いが強まってきました。この週は夏から秋へと売場を転換する好機となるでしょう。
この週前半に襲来する台風10号の被害か懸念されます。直接的には火曜日販売分の九州四国産品(小葱やすだち、紅蓼などの促成品)に支障が出ると思われます。中長期的には、現在生育中の品目-ミカンなどの果樹類、豆類・ミニトマト・カボチャなどの園芸品等-に大きな影響が出る恐れがあります。
【野菜】
野菜はこの1~2週で大きく値を下げたものが多く、今はもう高値のイメージの品目は皆無といっていい状態です。全体の平均単価も平年比より割り込みました。特に低迷が際立つのはミニトマト、人参、玉葱あたり。ネギ、小松菜、レタス、胡瓜、カボチャ、かぶ、馬鈴薯なども平年より安値感があります。ただ、安いとはいえだいたいは底値を打った感があり、この週は概ね横ばいで推移すると予想します。
今まで少量で堅調続きだった白菜とキャベツは数量が回復して下げの見込み。ほうれん草は量が減り底上げしそうですが、菜類は全般に安値感が漂います。小強かったブロッコリーも下げ。レタスは大きく下げましたがこの週はまだ弱含みです。菌茸類は保合の予想ですが、朝晩の涼しさから消費拡大が期待されます。
果菜類では、大幅に値下げした胡瓜はこの週露地物が減少しやや反発の見込みです。ナスは一時期のひっ迫・高値からは完全に抜け、今はむしろ安値感が強いです。低迷中のミニトマトは、全体量が減少しやや底上げの様相です。売れの鈍かった茗荷に引き合いが出て若干の上げを予想します。
根菜土物類では玉葱、人参に激安感あり。今は低迷中に違いありませんが、産地が一時に大量に出荷した背景があり、底値を打った感があります。秋商材への訴求からむしろこの週は売り込み甲斐が一番ある品目と言えるでしょう。先んじて蓮根・さつまいもは動きが好調で、蓮根は価格上げの見込みです。馬鈴薯も安値ですが、間もなく下げ止まりと思われます。
【果実】
果実は全体的に数量不足の単価高で販売に苦慮しています。特に今一番売り込みたいの梨ですが、春先の低温で実の付きが悪く全国的な不作傾向です。この週は豊水がメインですが品薄単価高は不可避です。10日から販売予定の南水は、数量はまだはっきりしませんが、やはり例年より少ない見込みです。メロンは静岡・北海道からの入荷で、12日よりは地元の石川アールスも始まります。りんごは長野県産サン津軽が早くも切り上がりの気配で、青森県産主体に替わります。数が少ない品目が多い中、数量を確保すべきなのがブドウ類で、巨峰・シャインマスカット・ルビーロマンを中心に販売します。石川、愛知からのイチジクは連日の入荷です。季節商材として栗が熊本県産・茨城県産を中心に入荷され、10日予定で地元穴水産も始まる予定です。
輸入物はブドウが徐々に増えてきます。赤と緑のシードレスが数品種あり、いずれも品質・食味が優秀で国産にひけをとらない内容であり、販売拡大が期待されます。その他品目に大きな変化はありませんが、パインは入荷が減少し原価が上昇傾向です。