大野の生産者・今井さんを訪ねる

大野の水菜生産者・今井さんを訪ねる

金沢市大野でさつまいも、水菜等を生産する今井さんを訪ねました。

この地は日本海に面する港町で、かつては金石とともに北前船の寄港地で繁栄した地域でした。
醤油の産地として有名で、大野に来たとたんにお醤油の匂いがプンと漂ってきます。
江戸時代以来、日本の醤油五大生産地の一つになっています(他は銚子、野田、小豆島、竜野)。

すぐお隣に粟ヶ崎、五郎島町(二つ合わせて粟五(あわご)と呼ぶ)があり、大野でもさつまいも作りが盛んでした。
大野も同じ砂丘地での甘藷づくりであり、粟五にまったくひけをとらない美味しいさつまいもを産していたのです。

しかし、昔は部会が異なりました。
粟五のほうはご存知「五郎島金時」というブランド名で大ブレーク。知名度もあって好単価で取引されるようになりました。
一方の大野は「金沢金時」という名で流通。しかし、ここがブランド力の恐ろしさで、値段は五郎島金時にはるか及ばずだったのです。

同じ金沢市でお隣同志。組合もJA金沢市で同じとあって、もう20年近く前に両部会は一つになることになりました。
以来、この大野で作られる甘藷も「五郎島金時」として流通するようになったのです。

また、大野葉菜組合という部会も組織し、そこでは水菜や小蕪(こかぶ)を出荷しています。その肉質のきめ細かさ、真っ白さは素晴らしく、県内一の品質といっても過言ではありません。

今井さんは、この五郎島さつまいも部会、大野葉菜組合の両方に属し、素晴らしい品質の野菜を出されています。

今日は水菜担当の当社社員に同行して挨拶に来たのですが、作業小屋では五郎島金時の選別中でした。芋をサイズ・目方に応じて振り分けていくのです。
秤の仕組みが面白く、大小様々が混じったコンテナ箱から1本取り出すと、その1本分のグラムが全体の重量から減るので、秤がそれを瞬時に計算して「S]とか「L」、「2S」とかアナウンスしてくれます。
秤が教えてくれた通りに、つまみあげたさつまいもを振り分けていくのです。

今は大変な残暑。
酷暑です。
今井さんは汗をだらだら流しながらのお仕事でした。
お忙しいところ、お邪魔しました。
これからも超上質な青果物のご出荷をよろしくお願いします。