金沢市大野町の醤油醸造元「ヤマト醤油味噌」の山本晴一社長を訪問した。
地元野菜を具にしたフリーズドライの味噌汁を開発されるとのことで、試作品用の加賀野菜について相談を受けたのである。
山本社長との出会いは20年近くも前だが、会社を訪問したのはこれが初めてである。
来てみて驚いた。
敷地内には昔のたたずまいをしっかり残した、しかし現代的にきれいに手を入れた家屋が立ち並んでいる。
事務所や工場、蔵に使っている家屋もあれば、レストラン、カフェ、ヤマト醤油の歴史館、お土産売り場もある。
丁寧に見て回り、食事やお茶を楽しめばあっという間に2時間程度は経ちそうだ。
これはもう醤油のテーマパークと言って良い。
ヤマト醤油味噌は、醤油の売り上げは全体の13%程度だそうだ。
残り8割以上はタレ、ドレッシング、発酵食品など自社開発した新商品だ。
さらにブランドの付加価値を高めるために、見て歩くと楽しいテーマパークをしつらえる。
本当に柔軟な発想であり、感服することしきりだ。
ご先祖に対する敬意と感謝と愛情に満ち溢れているのも素晴らしい。
そして思う。
これ、卸売市場でも十分にできることなのだ。
我が社はオーナー企業ではないので好き勝手には作れないが、先人に対する畏敬の念さえあれば、魅力的な要素はいくらでもある。
卸売市場を本業の機能を高めるだけでなく、テーマパーク化して情報発信する。
本当に面白いものができるだろう。