■週の概況 第38週 9/14(月)~ 9/19(土)
【全体】
野菜の出方は概ね順調に回復しましたが、果実は依然として不作傾向であり品薄感はしばらく続くと思われます。心配された台風10号の影響として、直近の入荷に限定すれば、オクラ・アスパラ等で減少が見られた他にはそれほど甚大な被害は聞いておりません。しかし、現在生育中の品目には抑制カボチャの茎折れなど、少なからず影響は受けたものもあり、数か月先に表面化する可能性があります。
まだ残暑厳しいとはいえ、猛烈な暑さはやわらぎ秋の到来を実感できるようになりました。煮炊き商材にも人々の目が向くようになり、動きも若干よくなっています。4連休前の週ということで、活発な消費を期待したいところです。しかしコロナ禍で業務筋の経営環境は依然として厳しく、街中の賑わいはまだまだ戻らないとの見方が一般的であり、今後も我慢を強いられそうです。
【野菜】
長期的なナヤミに入っていた白菜はようやく動きが回復し低迷を脱する気配があります。キャベツは群馬中心に量が出始め、価格を下げて平年並みレベルに。ほうれん草は生育不足で品薄強含みですが、これも平年レベルに戻る感じ。小松菜は依然格安です。レタスは供給過剰で、安値感の一番強い品目となりそう。きのこ類は全般に引き合い強まりそうですが、松茸は輸入物が少なくやや高値で、国産はこの週から若干出てきそうです。
果菜類では、保合もしくは若干上げの品目が多そうです。前週に急激に下げた感のある茄子やミニトマトが反発して上げ。きゅうり、ピーマンはこの週数量がやや減り、堅調な動きを見せそうです。大葉・茗荷など香辛妻物類は引き合いが強くなっており、特に茗荷は品不足気味で強含みとなります。
反対に根菜土物類は、下げる品目が多そうです。ただし秋の涼しさが出てきて需要は上がっており、単価が下がって売りやすくなるという解釈で拡販につなげたいところ。牛蒡、長芋は青森産等が順調で下げ予想。馬鈴薯、玉葱も北海道産が潤沢で価格は低調です。れんこん、さつまいもは増量で下げ傾向ながら、小売店での動きは好調なようです。
【果実】
梨の不作が全国的に顕著で、当市場も品薄高値に悩まされています。この週よりあきづきも加わりますが例年より少ない傾向は続きそう。メロンは静岡・北海道らに加え、石川アールスが加わり連日の入荷です。りんごは長野産がしばし休止となり青森・山形からの入荷です。イチジクは前年より潤沢な入荷です。この週からは極早生みかんの姿が目立つようになります。当市場の中心産地は九州で台風10号の影響が気になるところ。スレ果、傷果の割合が平年より多い可能性があります。
輸入フルーツはHDメロン、ぶどう類が目玉。ぶどうは国内ぶどうも多種多様ある中、赤・緑のシードレスが独立したポジション勝ち得ており、食味良く価格訴求力もあって増大傾向です。フィリピン産は各品目とも不作傾向で、バナナも同様に少なめですが、不足分はエクアドル産でカバーします。また、バナナは9月17日にNHK「所さん!大変ですよ」で特集されるため、一時的に引き合いが強まる可能性があります。