マルエーの風評被害考察

マルエーの風評被害考察

石川県のスーパー、マルエーの従業員一名がコロナウイルスで陽性となり(9月6日)、その人が働いていた2店舗が一時的に休業する事態となった(休業は1店舗が7日、8日の2日間。もう1店舗は6日の晩に数時間だけ閉店)。

マルエーはすぐにインターネット等で公表し、情報提供及びコロナ対策を適正に処理し、大きな混乱にはならなかった。

スーパーマーケットほど不特定多数が集散する場所はない。
陽性の従業員が出た、というのは不運でしかない。
本当にお気の毒なこと。
心よりお見舞い申し上げる。
いつなんどき、うちの会社の社員に陽性患者が出ないとも限らない。
(いや、私自身が罹患しない保証もまったくない。)

さて、発覚から10日が過ぎた。
ここでコロナウイルスの風評被害について検証したい。

マルエーは今、通常のスーパー業態の店舗が21店、面積が小さくスーパーとコンビニの中間的な規模の店舗が6店舗(近々さらに1店舗がオープン)ある。

コロナウイルス陽性の発表があって以降、当該店舗の再開店日の来客数は前週比の約4割5分減。
それ以外の店舗も5%~10%ぐらい落ち込んだ。

当該店が半分近くに減少するのは仕方がないだろう。
ただでさえ小売業界はオーバーフロー気味であり、他に行けるスーパーはいくらでもあるのだ。
しかし、他店が落ち込むのは完全に風評である。

むしろ、マルエー全体が非常事態の危機意識を持っての営業であるから、他のスーパーよりも厳格な管理で臨むはず。
つまり、現時点ではどこよりも安全な可能性が高い。

だがそんな理屈が通用しないのが風評心理というものだ。

一週間が経過し、幸いにして日に日に来客数は回復傾向である。
それでも、まだ当該店舗は前週同じ曜日と比べ2割減だ。
やはりその店舗を敬遠するお客が一定比率残っていると思われる。

なんだか心配、気持ち悪い…こういう辛い思いを一番抱いているのは、当該店舗で働く社員やパートさん達である。
長時間そのお店に中に居続けるわけだから。

従業員に踏ん張ってもらわねば営業は続けられない。
申し訳ないがなんとかがんばってほしい、と願う経営陣の切実なる気持ちを想像すると胸がしめつけられる。
おそらく、家族や近隣者から反対される人も少なからずいるだろうに、その思いに応えて毎日出てくる社員、パートの心根を思うと胸が熱くなる。
私は感傷的すぎるだろうか。

とにかくマルエーの来客数が元に戻り、人々が今回の件をすっかり忘れる、或いは何とも思わなくなる日が一日も早く来ることを願う。