臨時休開市の調整

毎年この次期に来年の卸売市場の休市日を決める。

市場休市は各市場が独自に決めてよいが、全国の農業産地から出荷していただくので、大都市東京と大阪がまず決め、地方の市場はその結果を見て決めることになる。
東京も大阪も休みなのに、自分とこだけやることにしても産地は動いてくれないからだ。

東京と大阪がビタッと一致すれば話は早い。
こちらもビタッと合わせるのみ。
でも、なぜか東京と大阪は年に何日分か食い違う。
だから地方の市場は、うちは東京寄り、あちらは大阪寄り、など系列というか派閥のような様相を呈する。

金沢は昔から東京寄りだ。
別に東京の子分ではない。
つながりの深い産地背景が東京に近いということだ。

さらに、青果と水産では考え方が違う。
本来、同じ市場に青果と水産が入所していれば、どちらかが営業してどちらかが休み、という所謂「片肺」では、食品スーパーさんなど小売業者には不便となる。

昔は小売業者の圧力が強く、片肺はまかりならん、という風潮だった。
だが、最近はそうでもない。
青果と水産のどちらかしか開いていない日というのが年に数日出ても文句が出ないようになった。

それでも毎年、調整にはいろいろ気を遣うし、また実際にひと悶着ある時はある。
もめる時はもめる。
東京と大阪が出してきた令和3年のカレンダー案は結構食い違いがあったので心配していた。

しかし、今年は幸いにして、結構すんなり案が固まった。
東京と大阪があまりに違うので、もうこっちにしてしまえ、といういい意味で開き直りがあったからか。
まあ例年もめるだけもめても、商売が上手くいくかどうかはまったく別の話だ、ということは皆気付いていることだ。

以前に述べたが、私は水曜を必ず休市にして祝日は開市と決めた方がよい、という考え方だ。
世間が(小売業界が)市場は日曜と水曜が休み、と認識してしまっている。
あれこれ毎年暦と睨めっこしなくてもいいのだ。
たまに水曜開市があっても、開店休業状態になるだけだ。
仲卸の従業員などは水曜日の開市日が来るたびにブーブー言っている。

現場の人間が明確に答えを持っているのにその意見が通っていない。
これこそが市場業界の硬直化の証である。