青果物の週間情報 【2020-W42】

■週の概況 第42週 10/12(月)~ 10/17(土)

【全体】
 品揃えや産地構成は確実に秋仕様に変わってきました。野菜では果菜類はあまり目立たなくなり、根菜類やきのこ類など煮炊き商材に注目が集まります。特に大根、原木栽培のきのこ類など地物の旬のものがお薦めとなります。くだものも夏果実が主役から降り、みかん・りんご・かきがメインの売場にスイッチしつつあります。
 ただし、消費に関しては全体的に低調感があります。前週同様、太平洋側は雨が多く、関東の産地は生育は遅れ気味なため、秋冬野菜の出方が鈍く、数量が思ったほど増えてきません。このため相場は堅調ですが、引き合いが強いわけではなく、品薄感が出るほどではありません。この週も重たい流れが続くかもしれません。

【野菜】
 葉茎菜類ではキャベツとネギがやや変調です。キャベツは群馬産が雨で減少し価格を上げ、この週前半は高値を引きずりそう。ねぎも太りが悪く、出荷減の上げ気配です。白菜、法蓮草、ブロッコリーは順調です。きのこ類は椎茸菌の発生力が弱く、増加が鈍かったものの、この週はそれなりに増加する見込みです。松茸は地物が出始め、原木なめこ、芝茸なども目に付くようになってきました。
 果菜類はキュウリ、トマト、ピーマンなど平年に比べ相場は堅調です。その理由は数量が伸びないためであり、動きそのものは重たい状況です。
 大根は石川県産が本格化。かぶも地物が増えてきます。れんこんは順調。変調はさつまいもで、砂丘地の掘り込み作業が一段落するまでは数量減が続き、価格は強含みとなりそう。ごぼう、長芋は秋掘り物となります。馬鈴薯は保合予想ながら、メークインが今季は少なく、メークインの切り上がりを見て男爵は上げに転じる可能性があります。玉葱は潤沢すぎる量が連日入ってきており、安値安定傾向です。

【果実】
 極早生のピーク。ただし福岡の「早味かん」は終了し、20日過ぎに北原早生の登場を予定します。りんごは長野の秋映え、青森の早生ふじが中心ですが、この週よりシナノスイートも始まる見込み。さらに石川県オリジナルの秋星も入荷します。柿は和歌山の刀根早生が中心。福岡県産は一旦は間を置いて、20日過ぎから早生富有系で再開する流れです。梨は新潟から新高の入荷があります。
 輸入フルーツでは、国内産ぶどうが徐々に減っていくのに替わり、輸入ぶどうが増えてきます。消費者の認知度は昔より大幅に定着し、食味も良くなっています。グレープフルーツは南アフリカ産からメキシコ産に中心が移ってきます。これまたひと昔前よりも品質・食味が向上しており、内容は良くなっています。