■週の概況 第43週 10/19(月)~ 10/24(土)
【全体】
これからメインの産地となる西南暖地の青果物がやや出遅れている印象がありますが、青果物の入荷はまずまず順調です。全体的に葉茎菜類は潤沢安値、果菜類は少量で堅調、根菜土物類は(玉ねぎを除き)平年並みといったところ。この週は小幅な値動きで全体にやや下げの展開を予想します。
結局今秋は、台風被害はまったくないに等しく、9月以降の青果物の生育は気候に恵まれ良好です。このため中期的な展望として、11月以降の野菜は露地物が極めて潤沢に出てくる可能性があります。
【野菜】
葉茎菜類は全体には軟調です。白菜は長野産が終盤に向かいますが全体は潤沢で安値低迷ムード。キャベツは茨城や地物(河北潟)も始まり多産地重複で増量下げ。ネギも一時期の高値が解消し値ごろな相場となります。堅調だった菜類も下げて平年並み価格に落ち着くでしょう。ブロッコリーは石狩産終了に代わり石川県産中心となります。レタスは台風被害が全くなく潤沢安値が続きましたが、長野産終了でやや底上げの気配です。きのこ類は需要期で引き合い強いながら数量伸びずやや上げ模様。松茸は石川県産ピークの週ですがどれだけ出るかは未知数。芝茸、原木なめこも出て秋を感じさせますが、前週よりは一旦減り込むかもしれません。
果菜類や豆類は気温低下により出方が鈍く、全体的に堅調・高値の品目が多いですが、引き合いは弱く消費は低調です。胡瓜は福島終了、高知スタートですが量は少なく高値基調が続きます。茄子やピーマンは前週より下げ模様ではありますが、価格レベルは平年より高値の傾向にあります。高値だったトマトは反動が出ておりこの週は大きく下げるのでは。一方のミニトマトはまだ増えず高値保合の予想です。
根菜土物類は、本格的な秋冬のラインナップとなり、高かったものは安く、安かったものは底上げする平準化イメージの週となりそう。大根は金沢産ピークとなり、特に他県産は安値に振れます。24日より源助も始まります。小蕪は全体量が少なく平年より高値基調が続きます。人参は北海道産の早めの切り上がりが予想され、やや端境期に入るきざし。れんこんは潤沢でやや弱いですが、さつまいもは掘り込み時期で出荷量少なく強気配です。里芋は福井産と新潟産も加わり、種類豊富となります。高値感あった牛蒡は各店舗行き渡った感があり下げに転じそう。馬鈴薯は北海道産の数量予想が下方修正され思いのほか少なくなりそう。特にメークインが少なく価格は上げの見通しです。長芋は安値安定で地物・石川かほく産も始まりました。玉葱は潤沢すぎる入荷で安値が続いており、苦しい販売環境です。
【果実】
国内果実はみかん・りんご・柿の三本柱です。みかんは極早生が順調な入荷の中、福岡県産北原早生も月曜日より始まり、徐々に早生も目に付いてきます。りんごは青森早生ふじ中心に長野シナノスイートも始まり、地物の秋星もあってアイテム的には変化がつけられ面白いところ。柿は和歌山の渋柿・刀根早生が中心の販売であり、週末には福岡の甘柿(松本早生)の入荷もありそうです。ブドウ類では巨峰が終盤に向かいますがシャインは順調な入荷を予定します。いちじく・栗は徐々に数量が減少していき、梨は新潟県産の新高から新興への切り替わりの週となります。
輸入フルーツは大きな変動なく、依然としてバナナは産地干ばつ及びコロナ禍による作業停滞で数量少なく高値気味。この傾向はしばらく続きますが、おそらく11月に入れば改善され価格も落ち着く予想です。グレープフルーツはメキシコ産が中心。アボカドは荷動き悪く、この週は入荷数量も減少する見通しです。キウイはゴールドが切り上がりに向かいグリーン中心へ。ブドウは赤・緑のシードレス系が増量します。