源助大根始まる

本日、JA金沢市の源助だいこんの初荷を迎えた。
8月の種まきで高温・干ばつの影響が心配されたが、台風や豪雨に遭うこともなくおおむね順調に生育した。

源助だいこんは加賀野菜15品目の一つであり、このたびリニューアルされた加賀野菜ブランドマーク(9月30日のブログ参照)の本格お披露目と歩調を合わせる形となった。
来年2月まで出荷が続く。

コロナ禍で市場での初荷セレモニーはしばらく自粛傾向にあったが、Go To キャンペーンもあってそろそろ解禁ムード。
金沢市農産物ブランド協会の橋田会長、山野金沢市長、松本充明源助大根部長からご挨拶をいただき、関係者一同でこれからの販売拡大を誓い合った。

源助だいこんはずんぐりした円筒形が特有で、肉質柔らかく、煮崩れしにくく、おでんにすると天下一品である。

栽培の中心地は打木・安原地区。
特に打木は篤農家・松本佐一郎氏がこの種を育成した源助発祥の地であり、その息子で「農の匠(たくみ)」である松本惲(あつし)氏が継承し、現在は孫の充明氏が源助だいこん部会の部長を務めている。

源助は栽培が難しく、一時は生産農家が松本家一軒だけに激減した品種だが、加賀野菜に認定され価値が見直され、今では20戸の農家が手がけるまでに回復した。
通常の総太大根の2倍の価格につくこともあるが、それだけの値打ちのある“いい”大根である。

親子3代が紡いできた伝統の野菜。
それが今、加賀野菜の中核を担うまでに復興を果たした。
これからの農業、特に地理や天候の制限により大規模な展開ができない石川県のような環境下では、こうしたこだわりをもった伝統野菜を大切につないでいかねばならない。