■週の概況 第44週 10/26(月)~ 10/31(土)
【全体】
野菜は、台風被害がない年で順調潤沢に出回るかと思われましたが、8月の高温・干ばつの影響が出たものか、ここにきて生育がやや不調です。地物も含め、例年なら一気に増えるはずの品目の出方が鈍く、前段産地の切り上がりの早さと相まって、端境期が生じる気配があります。このため平年なら価格を下げるべき時季ですがあまり下がらず、おおむね保合で推移する週になりそうです。
消費面では、中途半端な暖かさもあってここまであまり活発とは言えません。しかしこの週は冷え込みがグッと深まり、鍋物需要は高まると予想されます。本格的に秋冬野菜を売り込む構成に売場をシフトしていくタイミングでしょう。
【野菜】
安値過剰だった白菜は長野産減少しやや底上げ。逆にキャベツは愛知が始まり下げ予想です。ネギは前週に乱高下がありましたが、平年並みに落ち着きそう。ブロッコリーは石川産が増加しますが本格化はまだ先で上げ模様です。産地切り替えでレタスは一時上げましたが、この週は落ち着きそうです。きのこ類は引き合いが好調です。原木物・自然物は気温次第で、冷え込みがきつすぎると発生が止まる可能性があります。地物松茸もしかり。
果菜類は堅調な品目が多かった中、高値疲れもあって下げるものが多いでしょう。トマト・ミニトマト・ピーマンなどは軒並み下げ予測。きゅうりは抑制型の生育が進まず、堅調な価格は維持される見込みです。
大根は金沢産中心に潤沢な入荷に加え、加賀野菜・源助だいこんが始まり、この週はまとまった数が出回ります。かぶは青森が終了し減産強含み。人参は北海道産早期切り上がりにより端境期となり、上げを見込みます。里芋は福井産が中心となり石川産も加わりますがピークはまだ少し先です。馬鈴薯はメークインが切り上がり全体的に底上げ傾向・強含み。玉ねぎのみ過剰気味の入荷が連日続いており、低調な価格に陥っています。
【果実】
国内果実は極早生から早生みかんに切り替わりが進む時期です。福岡の北原早生は高価ながら食味は抜群です。りんごは長野・山形のシナノスイートが中心でこの週がピークとなります。ブドウ類は巨峰がシーズン終盤に入り減少へ向かう一方。シャインマスカットは予定通りの入荷を見ます。柿は品種の切り替えが進み、刀根と筆柿は終了となり、和歌山の平核無、岐阜・福岡の早生富有に移行します。地物の柿も増加傾向となり、31日からは紋平柿がスタートする予定です。
国外果実はおおむね変化なく、入荷の中心は種無しブドウ類で、赤・緑・黒など彩は豊富です。キウイはゴールドが月内で入荷終了予定です。バナナは依然として少量高値で、回復にはもうしばらく時間がかかります。