青果物の週間情報 【2020-W45】

■週の概況 第45週 11/2(月)~ 11/7(土)

【全体】
 例年11月に入ると秋冬野菜の需要が伸びるが、それ以上に地場のセミプロ農家や家庭菜園が一挙に成りだし、野菜の相場が下落するのがパターンである。ただ今年は平年より生育遅れが見られ、比較的堅調さを保つ傾向にある。とは言えこの週は価格を上げる品目は馬鈴薯・人参ぐらいで他の品目はおしなべて保合もしくはやや下げの予測。
 産地背景としては長野を中心とする高原野菜が切り上がり、諸々の野菜が関東や西南暖地の冬作産地に切り替わる。消費動向では、Go to トラベルで人の行き来は良くなってきたが、外食産業でよく利用される業務向け食材、加賀野菜などこだわりの農産物は平年より売れが鈍く苦戦するだろう。

【野菜】
 白菜、キャベツ、レタスなど葉物・洋菜類は、高原物から茨城・兵庫などに産地切り替わる。ネギは石川・埼玉中心ながら軸が細く、価格はやや下げの見通しだ。ホウレン草など菜類は順調でやや下げの予想。ブロッコリーは道産が終わり石川産中心となる。きのこ類は需要期で動き好調だが、地物松茸、雑ごけは切り上がってきた。
 果菜類は依然として量が少なく、例年より高値基調が続く。特にトマトは後続産地が追いつかず堅調。ただ本来が非需要期に入り引き合いは弱まっており、ピーマンを筆頭にそろそろ反落に転じそうな気配だ。
 根菜土物類では人参と馬鈴薯が強含み。人参は端境期に入って減少傾向、馬鈴薯はメークイン中心に思いのほか切り上がり早く上げ模様である。真反対が玉葱で、依然として引き合いを大きく超える入荷量が連日続き低迷中だ。里芋は福井・新潟から順調に入荷する。大根は石川県産が後半戦となり踏ん張っての保合予想ながら、他県産を含め全体傾向としてはやや軟調といえる。

【果実】
 国内果実はみかん・りんご・柿の三本柱にブドウ類、イチジク、洋梨などが脇を固める。みかんは早生が本格化。今年、九州は裏年であり、そう多くないとはいえ順調な入荷である。りんごは長野産がシナノスイート、シナノゴールドに加え、週末よりサンふじがスタートする予定である。柿はかほく市特産の紋平柿が始まり、今年は不作だった前年を取り返す順調な入荷を見込む。他、和歌山・岐阜・福岡より定番の渋柿・甘柿の入荷がある。国産ぶどう類、イチジクは日ごとに減少へ向かう。
 輸入果実は大きな変化なく入荷は概ね順調で価格は横ばいだろう。バナナは入荷量が今後改善へ向かう。キウイはゴールドが少なく、グリーンは潤沢。ブドウは国産ぶどうの減少を補うように各色シードレス系が本格化し、価格も今以上にこなれてくる見込み。