アメリカ大統領選挙と郵便投票

混迷を極めたアメリカ大統領選挙はどうやらバイデンの勝利で決着しそうである。
トランプはまだ諦めきれず、法廷闘争などで抵抗する可能性はある。
だが悪あがきにも限度があるだろう。

いくら郵便投票は不正の温床だと叫ぼうが、自分が現職の大統領として臨んでいる選挙だ。
民主主義で決まったルールに則っての結果である。

郵便投票はなぜ民主党・バイデンに有利か。
郵便投票によって投票率が上がる。
あまり政治・投票に熱心でない人も投票しようかという気になる。
一番伸びるのが低所得者層だ。
低所得者層で比率が高いのが非白人系である。
非白人には民主党支持者が多い。

簡単に言えば以上のような理由だ。
特に今年はコロナウイルスのため、密になりやすい投票所を避けようと考える人が多かった。

民主党バイデンはコロナウイルス対策を重視し、投票は郵便による期日前投票を積極的に働きかけた。
反対に共和党トランプは、郵便投票に最初から否定的だった。

よって必然的に郵便投票をした者にはバイデン支持者が多く、トランプ支持者は当日投票に偏ることになる。

期日前投票を推奨するのは時代の流れで当然だ。
しかし、運用面ではもっとなんとかならなかったものか。
この混乱はあまりにもひどく、意味不明。
大国アメリカがなんとも無様な姿を晒した印象がある。

各州が大激戦だったとはいえ、結果的に大陸内は真ん中部分が真っ赤っか(共和党勝利)、その周囲が真っ青(民主党勝利)に色分けられた。
分断がさらに進むのなら、その2国に分かれた方がむしろ自然・・・という気になってしまう選挙だった。

バイデンは勝利者宣言で分断ではなく結束を呼びかけたが、アメリカは再び自由と平等と民主主義の魂を再建できるだろうか。