青果物の週間情報 【2020-W48】

■週の概況 第48週 11/24(月)~ 11/28(土)

【全体】
 野菜は総じて潤沢である。第47週は季節外れの暖かさもあって秋冬野菜の消費が止まり、値を下げる品目が続出したが、第48週もその流れを引きずり、販売面では厳しい環境を強いられる。ただ、寒気で冷え込みがきつくなり、低迷していた白菜はやや浮上に転じ、大根・玉ねぎは大底から脱け始める週になりそう。逆に永らく堅調だった果菜類はピーマンを筆頭に下落する展開が予想される。果実は各品目順調な入荷を見込みながら、干柿とイチゴが増えて売場に加えられるようになる。
 新型コロナウイルスの第三波は大都市を中心に想定以上に激しく、この週より北陸圏も感染拡大が心配される。不要不急の外出は再び自粛ムードになり、巣ごもり状況が再来するかもしれない。そうなれば販売環境はまた大きく変化することになろう。

【野菜】
 葉茎菜類は全体的には安値である。ただし白菜はどん底からやや上昇する週となりそう。ネギは地物が出揃う。ホウレン草は値ごろ感もあって引き合いは強い一方、小松菜はだぶつき感が強く苦戦する。ブロッコリーは地物のピークでだぶつき感がかなり出ている。気温低下でレタスの引き合いは鈍りそう。菌茸類では、寒暖差により原木椎茸の出方が良く、この週も降雨次第で潤沢な入荷が期待できる。
 果菜類は全体的に下げ。特にピーマンとナスは大きく弱含みであり、きゅうりやトマトも地物が切り上がって県外産の潤沢感が増し、さらに一段の下げと予想する。豆類は数量が少なくこの週は保合の見込みである。
 根菜類では大根が大きく低迷している中、地物が終了に向かい底を打つかもしれない。同じく大きく下げたかぶらも浮上の気配がある。蓮根は前週下げがままこの週は横這い。甘藷は五郎島の太物が少なく全体箱数も少なめであり、この傾向はシーズンを通してのものになりそうだ。里芋は前週の気温高により消費が鈍り、この週は下げ予想である。土物類では馬鈴薯は北海道産の少なさが顕著になり強含みである。玉葱は今までより入荷ペースが落ち、底値を売った感がある。ごぼうは需要期となり強含み。この週より徐々に地物の干し大根の入荷が始まる。

【果実】
 国内果実では早生みかんがピークで順調な入荷を予定する。りんごは青森と長野からサンふじ中心の入荷である。柿は生食の各品種に加え、干柿も多くなってくる。特に、能登のころ柿はこの週、個選品パックの入荷となり、共撰品は30日から開始予定となる。イチゴは例年より出遅れ気味ながらもスタートし、愛知あきひめ、長崎ひめのかを中心に徐々に増量し、遅れを取り戻していく展開となる。国内産のキウイも各県から少量ながら入荷が始まる。ぶどうは大きく減少し、シーズン終盤を迎える。
 輸入果実は品目構成に大きな変化はないが、パインでハニーブローというブランドが面白く、通常品より1週間程度収穫を遅らせ完熟させての出荷となり、糖度が高く食味良好となる。バナナ、グレープフルーツ、オレンジ・アボカド・キウイ・ぶどう類などすべて安定した入荷で価格は保合を見込む。