6~7人の女の子たちがカラフルに飛び跳ねて歌う動画を最近よく見るので、この子は何?と聞くと、知らないの?NiziU(ニジュー)だよという。
6~7人でなく、9人いた。
韓国の敏腕プロデューサー・J.Y. Park氏がプロモートし、2019年7月に全国でオーディションを開催。
応募者1万人の中から26人を選抜し、まず日本で合宿トレーニング、そこから上位半分を選抜してさらに6ヶ月にわたる韓国合宿と選考テストを繰り返し、最終的に9人をメンバーとして2020年6月に「NiziU」を結成した。
その一連の模様はインターネット配信の他、ワイドショー「スッキリ」でも追跡放映され、結成前から大いに話題を集めていたのだ。
私がよく見たのはプレデビュー曲「Make you happy」のMVで、ビュー前なのに紅白歌合戦への出場が決定。
12月2日に「Step and a step」で正式デビューする。
遅まきながら、YOU TUBEでオーディションからファイナル選抜まで一連のドキュメントを観た。
1話約20分×40回。
はまった。そしてわかった。
バチェラー、バチェロレッテ、プロジェクトランウエイ、そして虹プロジェクト。
私はふるいにかけられるサバイバルものが好きなのだ。
ジャンルは何でもいいみたい(笑)。単純な男だ。
それはどうでもよい。
Nizi Projectを見て強く感じたことが2点ある。
1点目は、韓国のアイドル養成の教育システムのものすごさである。
日本のアイドルと比べ、K-POPのタレントの歌と踊りがうまいわけがよくわかった。
最新の設備、専門のトレーナー、計算しつくしたカリキュラムを整え、芸能人の卵を磨き上げることに注力している。
韓国人はものを合理的かつ徹底的に突き詰めることに優秀だ。
サムスン電子の社員教育にも似たような印象を持った記憶がある。
約1年間の訓練で、少女たちは本当に別人のように成長した。
人の習得過程で、技術をしゃにむに受け入れるべき時期がある。
吸収力が人生で一番優れている十代の若者に、あらん限りの技術を浴びせるのはまったくもって正しい。
この教育システムは韓国が日本のはるか上を行っている。
芸能界以外にも当てはまるのならば、あらゆる分野で韓国に負けてしまう。
日本人は韓国に学ぶべきだ。
2点目は、デビュー後に没個性に仕上げてしまうK-POP界の不思議さである。
選ばれた9人の少女たちは、オーディション過程ではとても個性的だったし、プロデューサーのJ.Y. Park氏も各自の個性を非常に良く評価していた。
一人ひとりは顔も性格も魅力も違う独立した個人だった。
しかし、それがグループとなり、衣装を着てメーキャップすると、見事に全員一緒くたになる。
ん?この子誰だっけ?
とわからなくなるほど、メークで顔を変えてしまい、しかも皆が同じ型にはまる。
そう私には見える。
(それとも私の目が開いていないだけで、ファンの人には個性的に映っているのだろうか?)
日本のアイドルは個性を重視、ゆえに時に技術の拙いタレントも出る。
韓国のアイドルは技術と美貌を重視、ゆえに皆レベルは高いが画一的。
これまでもよく言われてきたことだ。
Nizi Projectの選考過程は本当に面白かった。
しかし、NiziUになってからは私にはつまらなくなってしまった。
これはとてもとても不思議だし、もったいないことだ。
そして、10月から、メンバーの中では1、2位を争うほど人気が高かったミイヒが長期休養に入っている。
軽率なことは言えないが、まだ十代の若者だ。
メンタル面で問題が生じてのことではないか。
まだデビューしてもいない(!)アイドルグループなのに、かくも考えさせられた。
これからが本番なのか、それともデビューで物語は終焉なのか。
踊りと歌は日本でトップクラスの実力を持つアイドルグループだ。
この後は日本の大人たちが彼女たちを幸せな世界に導いてやるべきだ。