冬の風物詩である干し大根のせりが始まった。
干し大根は読んで字のごとく、大根を干したものだ。
切ってそのまま食べるわけではない。
これを原料に加工して、たくあん漬けに使うのだ。
金沢市卸売市場に並ぶ干し大根は、日本海からの寒風で干されたものだ。
粟ヶ崎・五郎島のさつまいも生産者が、芋の掘り込みが終了してからかかる作業だ。
干す期間は大体1週間から10日間。
一般的に保存性を高くしたいほど長く干す必要があるそうだ。
上手に干されたものは、先っちょを持って曲げてみると何ともいえない柔らかさとしなびた感がある。
枯れた老人のかわいらしさに似ていると勝手に思っている。
たくあんを漬ける家庭は減った。
我が家でも漬けない。
だが、たくあんは食べる。
だから誰かに作ってもらわなければならない。
たとえば近江町の八百屋だ。
原料そのものも売るが、自家製のたくあんにしても売ってくれる。
青果のプロだけに素晴らしくおいしく仕上がっている。
でも本当は、家で漬ける食文化そのものを継承することが大事なんだろう。
一応、下記にしたためておく。
丸果石川のホームページに載っているのを簡略化した内容だ。
たくあんの作り方
干し大根(葉付き)
ぬか(干し大根の15%の量)
塩(干し大根の6%の量)
好みにより、ざらめ糖、唐辛子、昆布
1)容器にぬか、塩、お好みで細かく刻んだ昆布などを混ぜ込む。
2)容器の底に塩ぬかを振り、大根を隙間なく一段敷き詰め、上から塩ぬかを振りかける。3)これを繰り返し、段を重ねていく。
4)最後に大根の葉でふたをする。
5)塩を表面がうっすらと白くなる程度に振りかける。
6)落し蓋をかぶせ、重石を載せる。
7)4日~3週間で水が上がってくる。そこで重い石を軽いものに替える。
8)冬ならば1ヶ月くらいすると漬けあがり。