■週の概況 第49週 11/30(月)~ 12/5(土)
【全体】
前週同様、露地野菜は潤沢な出回りが続き、需要よりも供給量が大きい状況である。野菜全体の平均単価は過去5年で一番低く、特に重量野菜の市況が低調だ。この週は冷え込みが強まり、煮炊き商材の消費が活発化することが期待されるが、価格を押し上げるまでには至らず、しばらく苦しい販売状況が続くと思われる。また、コロナウイルス第三波の影響で業務用野菜の動きは再び停滞気味であり、早期の収束が求められるところだ。果実は概ね予定通りの順調な入荷と販売であり、相場も例年並みの見通しである。
青果全体に厳しい販売環境が続く中だが、干し大根、原木椎茸、ころ柿など石川県独自の季節商材が出てくる時季であり、売場作りにうまくアクセントをつけたいところである。
【野菜】
葉茎洋菜類は市況低迷の品目が目立つ。露地野菜の主力である白菜・きゃべつ、レタスなどおしなべて安値。ネギもここにきて大きく値を下げ、この週も弱含みが続く。ホウレン草・小松菜等の菜類も同様に低調な価格帯だ。ブロッコリーは前週に各地区から一挙に出て大きく値を下げたが、この週はやや沈静化する見通し。菌茸類は他の野菜に比べて比較的堅調である。
果菜類も動きは弱いながら、胡瓜やナスなどは冷え込みで生産量が落ち、価格は横ばい予想となる。ただし秋口に堅調だったトマトは県外産の増量を見て下げるだろう。南瓜は地物の入荷もあり、平均単価としてはわずかに上げを見込む。
根菜・土物類は品目によりけりである。依然として大根は深刻な市況低迷が続く模様。人参はようやく岐阜県産が始まった。れんこん・さつまいもは需要期に入るが、今年はどちらも小玉傾向であり、やや数量不足で強含みである。長芋は青森から秋掘りが始まるが、逆に太物比率が例年より高い。馬鈴薯・玉ねぎは保合。さらにこの時季のものとして、北海道産の百合根、石川県産の干大根が出回る。特に干大根はこの週がピークであり、品質も上々である。
【果実】
国内果実では順調に入荷中の早生みかんに加え、デコポン・紅マドンナといった食味の評価の高い柑橘類が出てくる。デコポンは鹿児島から「大将輝」が、「紅マドンナ」は愛媛からの入荷。いちごは愛知・長崎・福岡から順調な入荷を見込みむ。柿は平核無系が終了し、富有柿系も晩期に入っていく一方、JA志賀のころ柿が30日から共撰スタートとなる。国産キウイは福岡県から入荷。りんごはまずまず順調ながら、長野県産はつる割れなどが出ており正品率が例年より若干低くなっている。洋ナシではラ・フランスに加え新潟産のル・レクチェも入荷する。
輸入フルーツは各品目に変化はない。バナナ・パイナップルはフィリピンを中心に順調な入荷である。グレープフルーツはメキシコ・米国・イスラエルなど各国からの入荷。キウイはニュージーの定番品に加え、米国から酸味の少ないキャンディキウイも入荷する。その他、アボカド、HDメロン、ブドウ類など順調な入荷を見込む。