年末に飛び込んできた業界のビッグニュースである。
東京シティ青果が株式30%を神明ホールディングスに売却した。
300万株、15億円とのこと。
これで神明はシティ青果の筆頭株主となる。
神明は2017年に東果大阪、18年に成田市場青果、岡山大同青果を子会社化しており、青果卸売で500億円の売り上げ実績を上げている。
これにシティ青果の800億円超が加われば、東京青果、連合長印グループと並び立つ巨大な卸売業者となる。
シティ青果は豊洲市場の単一業者だったが、経営は厳しかったと聞く。
2002年、築地市場時代に東京中央青果(東京丸果)と東京築地青果(マルニ)が経営統合するために作った会社が東京シティ青果だ。
その資本構成は丸果69%、マルニ31%であり、今回神明が取得する株は、マルニが手放すものではないかとの噂も聞こえてくる。
マルニ出身のシティ青果・針替会長には以前から大変お世話になり、教えていただいたことも多々あったことも含め、その経緯は大変気になる。
また、業界地図の激変ももちろん対岸の火事ではない。
業界再編は否応もなく進んでいる。
中でも、神明の動きの速さ・規模・充実度は業界内でも出色だ。
神明も元々はお米の卸売業者であり、ある意味青果以上の斜陽業界の出だ。
なのにこの展開の隙のなさ、大胆さ、実直さは目を見張る。
神明の藤尾社長の講演を一度聞いたことがあるが、きちんと数理に基づいた経営計画とビジョンに根付いている印象だった。
本当に対岸の火事ではない。連合長印グループは今や金沢の目と鼻の先の企業だ。
当社は近未来、どういう舵取りをすべきか。
決断を迫られる前に、自ら道を敷いて進みたい。