■週の概況 第51週 12/14(月)~ 12/19(土)
【全体】
11月から低レベルな市況に悩まされてきた野菜は、ここにきてようやく変化が出てきた。消費は今一つながら、九州地方や岐阜県などは雨が降らず干ばつとなり、葉物野菜を中心に生育が進まず不安定な状況となっている。この週は今季一番の寒気が流れ込んで降雪も見込まれることから、大多数の品目で数量が減少すると思われる。冬商材は引き合いも強まるため、この週、相場は底上げを見せるだろう。ただし、本格的な年末需要はその翌週からであり、モノの確保に困るほどではない。問題はその次で、寒波・降雪の程度しだいで年末年始にひっ迫する品目が出る可能性あり。現時点で何がそうなるかは不明で、この週はよく目を凝らすのが重要だ。日々の物量の変化・価格の上下動は予想を超えて変化スピードが速くなっている。
【野菜】
白菜、キャベツは依然として安値低調、苦しい状況が続いているが、週の後半から浮上する可能性がある。その他の葉茎菜類はおおむね強含みを見込む。ねぎは堅調な値動きを見せ、ホウレン草は干ばつで減少し価格は上げ予想。ブロッコリー、レタスも低迷を脱し上げの見通しである。ただしどの品目も長い低迷からの回復であり、それほどの高値感には到らないのでは。キノコ類は安定保合の見込みで、18日には原木椎茸「のとてまり」の初せりを迎える。
果菜類・豆類も上げる品目が多くなる見込みだ。胡瓜、ナス、インゲンなどは数量減少し価格上昇、トマトは愛知県産が安定しており保合予想である。
根菜土物類では大根・かぶら・にんじんは依然として低調で苦戦が続いておりこの週も安値保合予想。ただし底を打った感はあり、動きも少しずつ良くなっていく。レンコン、サツマイモは大玉が不作で品薄高値、小玉が売れ行き悪く安値という、サイズによって両極端な市況となっており、この傾向はシーズン通し長期的に続く。馬鈴薯・玉葱は北海道の残存数量を見ながらの出荷となり、年末に向けてしばらくはジリ上げの展開が続くだろう。くわいは小玉傾向ではあるが、数量は前年並み・計画通りの入荷を見込む。
【果実】
国内果実では、リンゴは志賀高原産が終わり、豊野及び青森からの入荷となる。みかんは早生種・普通種混在で福岡・長崎・和歌山等から潤沢な入荷となる。デコポンは大玉傾向、紅マドンナは週2回の予定。シャインマスカットや冨有柿は冷蔵物の入荷となる。出荷ピークとなるころ柿は、今季は小玉傾向で大玉のギフト用は少ない傾向だ。キウイは福岡県産中心だが、平年より2割程度少ない作況である。いちごはクリスマス需要で今後ジリ上げの展開となる。値が高いため一般消費の動きは鈍く、しばらくは業務向けが中心となろう。
輸入果実はバナナを筆頭にオレンジ、グレープフルーツ、キウイ、マンゴーなど前週から変わらぬ安定した入荷となる。全体的にこの週は穏やかに過ぎるが、次週よりパインなどで動きが活発化してくる見込みだ。アボカドは動きが鈍くやや弱い市況である。