のとてまり生誕10周年記念の初せり!

左:奥能登原木椎茸活性化協議会の樋下会長 右:堀他の浅市さん

原木椎茸「のと115(いちいちご)」の特秀品「のとてまり」の初せりが行われた。
8玉プレミアムが史上最高値更新の26万円!で競り落とされた。

これ一式で26万円。器は珠洲焼のお皿

買い受けたのは果実に続きまたしても青果専門商「堀他(ほりた)」。
野菜担当の浅市(あさいち)氏がせり落とした。

堀他から埼玉県浦和の鉄板焼き「M’s Rou(エムズロウ)」に納入される。
このお店と堀他は5年前から取引が始まり、M’s Rouの安田シェフが堀他の店頭で「のとてまり」を見て惚れ込み、以来浦和のお店で使ってくれるようになったとのこと。

原木椎茸の素晴らしさを力説する樋下会長

奇しくも、のとてまりは今年ブランド生誕10周年、M’s Rouも開店10周年とのことで、安田シェフより今年の初せりでぜひ買い受けたいとの依頼があったそうだ。

せり風景

浅市氏はインタビューに応え「今までは県内消費がほとんどだったが、10周年を機にこのブランドがもっと県外へ羽ばたけばいいなという思いを込めてせりに臨んだ」とコメントした。

実は今日という日には大きな試練もあった。
丁度この出荷日に合わせたように能登には大雪が降り、奥能登では120棟超のハウスが倒壊。そのうち約10棟は原木椎茸のハウスであった。
その多くは雪の下に埋もれてしまった。
初日に出荷できたのは昨年比でわずか1/5の数量となった。

そもそも今年は夏の暑さで生育が遅れ、生産者は栽培に苦労した。
115は冬菌で冷え込みによって生育が進む性質があり、11月以降の気温低下で回復した。
今回、降雪の被害に出鼻をくじかれた格好だが、新年1月からは潤沢に出回り、シーズン通して昨年より2割の増産を見込む。
出回り期間は今から3月までだ。

以下、基本知識である。

●まず「のと115」についての説明。
奥能登で栽培される原木椎茸で、「115(いちいちご)」は植菌する品種「興菌115号」から取っている。

コナラ等の原木に冬から春にかけて菌を植え付ける。風通しの良い林に約1年かけて管理する。
12月頃から原木から芽が出はじめると、乾燥しないように1個ずつ袋掛けを行う。
芽が出てから3週間ほどで大きく育ち、収穫時期を迎える。

雪深い能登の山あいで作られ、能登の気候風土にマッチしてしたものか、この地特有の丸々とした肉厚の椎茸に成長する。

香りや風味が良く、歯切れの良い食感が魅力である。
12月から3月にかけてがシーズンとなる。

●「のとてまり」についての説明。
のとてまりは「のと115」のうち、珠洲市、輪島市、穴水町、能登町で作られ、直径8㎝以上、肉厚3㎝以上、巻き込み1㎝のものに認定されるブランドで、その形がてまりのようにまん丸になることから「のとてまり」と命名された。
その中でも特に形が優れたものが「プレミアム」となる。