■週の概況 第52週 12/21(月)~ 12/26(土)
【全体】
年末で需要は高まり、相場は上昇する。ただ例年ほどには上げ切らないのでは?という声が大勢だ。理由その一は、基本的にものが潤沢に出ていること。干ばつで小玉傾向の品物が多くなる傾向はあるが、ひっ迫するほどの減少はないとの見方だ。理由その二は、コロナ禍。Go To トラベル停止で観光客が減少、移動自粛で帰省者が激減の世相であり、石川県内は例年より人口が少ない年末となる。忘年会や親族の集いなど大人数での会食は影をひそめ、消費に勢いがつかない。巣ごもり需要で例年よりおせち料理の予約は活況だが、オードブルの注文は逆に落ちているそうだ。5人~10人向けの大量食材よりも、2~4人の小家族向け規格の品揃えが今年はよく動く傾向となるだろう。
以上が一週間の予測だが、今後大雪の恐れがあるなど強い寒波が到来し、暮れ・正月の情勢は正直まだわからない。29日の止め市を待たず入荷が終わる品目もあるが、年末最終の概況を来週もお届けする。
【野菜】
白菜・キャベツは年末に向かってじんわり上げ。地物のネギはあられに当たり品質不良が多少出ている。ほうれん草は例年より安いレンジでこの週は上げ。小松菜は依然低迷が続きそうだ。業務需要不振のため、金時草は安値である。レタスはクリスマス需要もあって上げ。ブロッコリーは石川県産終盤により上げである。きのこ類は需要期に入って全体に強く、初せり26万円で話題ののとてまり(原木椎茸のと115)も入荷がある。
果菜類も全体に上げ相場ながら、それほど大きい値動きではない予想だ。この時期としてはミニトマトなど破格の安値水準で、これはレストラン・ホテルなど業務需要が落ち込んでいるためと思われる。一方、みつば、大葉、春菊といった年末年始に引き合いが集中する商材は当然ながら上げを見込むが、”それなり”のレベルであり、ひっ迫する事態には到らないとの予想だ。
根菜類では、ダイコンが長期の大低迷から少し脱出の状況だが、まだレベルは低い。蓮根・サツマイモ・里芋は中玉以上のサイズは品薄で単価高、小玉クラスは過剰で単価安という両極端な傾向である。馬鈴薯は年末の引き合いが強まり上げる。百合根は業務需要なく動き悪し。くわいはおせち需要で上げるが、今季は小玉傾向となっている。
【果実】
国内果実は主力のみかんはややだぶつき感が続き、この週も潤沢である。りんごは長野県産がほぼ終了し、青森県産がメインとなる。柿は富有系の冷蔵柿の入荷となる。ころ柿はやや不足感はあるものの連日の入荷である。いちごはクリスマス需要で高値傾向となるものの、例年よりも量は確保されており、順調な入荷を見込む。デコポンは夏場生育期の天候不良により不作で品薄高値傾向となる。
輸入フルーツではイスラエル産のスイーティーとアメリカ産のメロゴールドが旬でおすすめだ。スイーティーはこれから1月一杯、メロは2月一杯までの入荷予定であり、いずれもグレープフルーツより酸味がなく爽やかで食べやすいと好評だ。バナナ・オレンジ・パイン・葡萄類などは安定して順調な入荷予定である。キウイはグリーンのみの入荷で総量はあるものの大玉は品薄となっている。