■週の概況 第4週 1/18(火)~ 1/23(土)
【全体】
寒波による生育不良と積雪による物流停滞のWパンチで、青果物の入荷は減少気味かつ不安定になっている。生育面では葉茎類、果菜類、豆類の減少が目立ち、物流面では前週入荷がストップした北海道からのコンテナ輸送等が尾を引き、この週も定期・定量の入荷ペースが乱れそうだ。
家庭内消費は堅実であり量販店はそれなりに動いているが、緊急事態宣言で観光客はめっきり少なく、大人数による会合・会食も自粛となり、業務筋は冷え込んでいる。このため入荷数量は少ない割に相場も上がらず、青果物全体に元気がない。ただ視点を変えれば、高級・上等・高額なものが例年より安値で出回る傾向があり、新しい経路への販売チャンスがあるとも言えるだろう。
【野菜】
葉茎菜類では白菜は売りやすい価格帯で荷動きも好調。ネギは降雪による高騰から値を戻し、落ち着きを取り戻す見込みだ。菜類及びブロッコリーは寒波で品薄高値だったが、徐々に数量が回復し価格は弱含みの予想である。大雪で出荷が一時止まったきのこ類は、系統物・企業物とも通常の流通に戻る。ただし地物の原木椎茸は、降雪の影響から本格出荷はまだ少し先になりそうだ。
果菜類ではナス・ピーマンなど施設栽培物が冷え込みにより数量が少なくやや強含む見通しである。トマトは売れが鈍く安値感が継続しそう。反対にキュウリは節分めがけてジリ上げの展開に入っていく。スナップ、ソラマメ、ピースなど豆類は、九州産が本格化する時季ながら、今年はやや遅れ気味であり、数量減の価格は底上げ傾向だ。
根菜類では、雪で出荷が滞ったレンコンは回復して増量かつ単価下げの見込み。大根は引き合いが弱く下げ予想。人参は保合予想ながら太物は潤沢で割安だ。ごぼうは不作傾向かつ物流の乱れから品薄単価高が続く。馬鈴薯は北海道産の物流停滞で不安定な入荷が続き、長崎産早期切り上げもあってこの週は一層強い見込みだ。玉葱も強含みながら馬鈴薯よりはゆとりがあり、さらに季節物として静岡県産新玉葱の入荷がある。
【果実】
国内果実は、イチゴ、みかん、りんご、中晩柑類が中心である。イチゴは順調な入荷で価格もやや下げる見通しだ。みかんは長崎・静岡・和歌山など産地は複数に渡るが全体的に例年よりやや少なめの入荷予想。りんごは積雪による物流の乱れは概ね回復し、順調なペースに戻る。中晩柑類は寒波の影響で色付きのやや悪いものが散見される。種類は伊予柑、八朔、デコポン、せとかなど豊富に出回る。メロンは下級品の動きはそこそこながら、料亭、旅館等の不振及びパーティー自粛で上級品の動きが鈍くなっており、価格も例年よりは安値感がある。
輸入果実は、前週こそ大雪のため品物が店舗に行きつかないなどの小売サイドのトラブルがあったが、港と卸売市場との間の物流は堅実に維持されており、この週も安定した入荷が続く見通しだ。ブドウではチリ産のシードレス種がスタートする。