穴水高校「のとてまり」で「いいくに」作ろう!

能登の石川県立穴水高校は、教育の一環として生徒自らが原木椎茸「のと115」を栽培し、特秀品「のとてまり」を市場に出荷する試みを毎年行っている。
平成24年(2012年)より始まり、今年で9年目を迎えた。
今朝がその「せり日」である。

例年、10名ほどの生徒代表が実際に金沢市中央卸売市場に来場してせりに立ち会うが、今年はコロナ禍により、高校と卸売市場とをリモートでつないでのWEB実況中継による参加となった。
生徒は高校の教室に集まってせりを見守る。
市場ではスクリーンを設置し、生徒さんからメッセージを受け取る。

せりに先立ち、穴水高校での栽培の様子をスライドで上映した。
なかなか良くできていて感心した。
ipadがあれば簡単に作れてどこででも上映できるのだから、我々がここかしこで行うプチ・プロモーションイベントでもどんどん使っていくべきだ。

せりでは「のとてまり」8玉1ケースを柿市商店が119,200円でせり落とした。
これは穴水高校の歴代最高値更新だ。

せり落とした柿市商店の馬道さんは「コロナ禍で暗い日本が少しでも『いいくに』に戻ればという願いを込めた」とおっしゃった。
商品は金沢駅前の「金沢茶屋」に納品される。
金沢茶屋は、日本一の旅館・加賀屋が営む料亭だ。

その金沢茶屋の料理長である源田さんも駆けつけて下さった。
「生徒さんが大事に育てたのとてまりを大切に使い、今日ご予約のお客さんに振る舞いたい」と述べられた。

毎年、穴水高校のこのイベントを見ていて思う。
先生方がとてもやさしく、とても熱い。
生徒たちの努力の結晶をなんとか盛り上げようと一所懸命の姿が感動的だ。
今回のリモートでの交信も裏ではかなりのご苦労があったと推察する。

穴水高校については、価格が去年より高かった・安かったは正直どうでもよい。
価格の高低は大人たちの都合であって、生徒の努力を反映するものではない。
毎年、長時間をかけモノづくりに励み、最後に実社会とあいまみえ、一つの決着・成果を得るという体験が貴重なのだ。