■週の概況 第10週 3/1(月)~ 3/6(土)
【全体】
早いものでもう3月に入る。天気は短い周期でころころ変わり、寒暖差も日によって激しい週となりそうだ。週の前半はひな祭り需要があり、ちらし寿司に入れる野菜やイチゴは引き合いが強まる。それを過ぎるといよいよ重量野菜や菌茸類など煮物用の需要は減り、サラダ野菜や炒め物に売れ筋はシフトする。
季節の変わり目で産地切り替えが起こっている。タイミングが品目によって異なるため、端境期にあたるものは減少し高値に振れ、一気に増量を果たしたものは潤沢安値となる。よって、この週は品目によって動きがまちまちとなる。土物類は比較的不足感が強く、高値の印象を与え、逆に菜類・重量野菜は安値感が強い展開となるだろう。
【野菜】
葉茎菜類では白菜・キャベツは安値から底上げする。ネギは高値疲れで下げ予想だ。菜類は総じて安値低調ながらホウレン草は比較的動きが良いだろう。青梗菜は一気に増量してかなり値を落とした。ブロッコリーは順調で堅調な動きである。レタスは茨城産も出てきて潤沢かつ弱含みの展開になるだろう。アスパラは国内産が出始め、食味の良さを売りに徐々に増量する。椎茸は原木物がピークで潤沢ながら、菌茸類全般は非・需要期に入り安値傾向である。
果菜類は炒め物需要が伸長するため、ピーマンやナスは動きが良くなる。にらも販売が伸長する見込みだ。安かったキュウリはやや値を戻す見込みである。ひな祭り需要で、菜の花、大葉、豆類全般は週の前半の引き合いが強くなる。トマトは冷え込みもあって思いのほか動きが鈍く、ミニトマトも業務筋の不振から低調な動きだ。
根菜類では大根・かぶらは安値のまま横這い予想である。人参は完全に端境期に入っており数量がひっ迫し、今後2週間程度は大きく値を上がる展開になりそうだ。蓮根は安定した入荷で保合予想。甘藷は石川県産の残量が少なく、3月はジリ上げの予想だ。ごぼうは高値疲れの感があり、高いレンジながらやや弱含みの気配を見せる。筍は徳島以外は裏年にあたり、中期的には平年より少量高値のシーズンとなるだろう。玉葱は順調で値ごろだ。馬鈴薯は北海道産が残量少なく、鹿児島離島が悪天候でこの週は入荷不安定となるため、一層の価格上昇が予想される。
【果実】
国内果実では、イチゴがひな祭の需要が強く、週の前半は不足気味となる。逆に週の後半は潤沢感を取り戻し安値に振れる見込みだ。また、3月10日以降には次の番花が出てくるため一層の増量が見込まれる。キウイは今季、やや不作気味で小玉傾向となっている。りんごは潤沢に出回り続ける。柑橘類ではみかんが終盤となり減少傾向だ。中晩柑類は全体に早出しの傾向で、収量的にも少ないうえ、切り上がりが早くなっている。この週はデコポン、いよかん、紅甘夏、文旦は潤沢な入荷予定ながら、はっさく、せとか、はまさきなどは終わりがけで少量となる。メロン類は入荷が本格化するのはまだかなり先ながら、アンデス系がちらほら目につくようになってきた。
輸入物は前週より変化なし。バナナは安定して入荷する。ブドウ類は赤・緑のシードレス、レッドグローブが中心だ。ミネオラ、マーコットなどマンダリン系が潤沢である。オレンジはレギュラー品に加え、高糖度系のブランドが増加傾向となる。