POPからシールへ

POPからシールへ

スーパーのバイヤーさんに聞いた話だ。
最近のお客さんはPOPを見ない。
リーフレットも持っていかない。
どうなってんだこりゃ?という話である。

POP(ポップ)とは、「Point of Purchase(購買時点)」の略で、店頭で商品の横に掲示し、お客の興味をそそる販促物を指す。本来は「POP広告」という言葉だが、さらに略してポップ、ポップと呼ばれている。

リーフレットとは、1枚の紙に印刷された広告物、印刷物で、やはり商品の販促物として、多くはお客に無料で自由に持って行ってもらうためのものだ。

どちらもお店で使う広告物としては定番中の定番である。
それがあまり効果を発揮していないというわけだ。

POPについては、立ち止まって考えながら買い物する客が少なくなったということらしい。
「これは何?どれどれ…」
と説明書きを読む手間と時間すら惜しいのだ。

リーフレットは、わざわざ持っていくのも面倒くさく、どうせ家に帰ってもほとんど読まずゴミになるだけということを消費者が学習してしまったようだ。

このままではちょっと珍しい野菜、馴染みのない野菜はますます売れなくなる。
“買われない理由”の上位は「どう料理していいかわからない」であり、今まではそれを補完するのがPOPやリーフレットだったからだ。

そこで売る側が新たにやり始めた工夫が「食べ方シール」である。
POPでもリーフレットでもなく、シールだ。
野菜はむき出しのバラ売りもあるが、多くはポリ袋やパックに入れて売られる。
その包装資材に、食べ方・料理の仕方を簡潔に書いたシールを貼る。
商品を買う=情報も自動的に付加される、ということだ。

こういう販促資材もスーパーから我々納入業者へ作成依頼がくるので、POPに替わってシールの注文が増えているようだ。
スペースはより小さくなりながらも、最低限のちゃんと美味しく食べてもらう情報を載っけなければならない。
卸売会社はいよいよ情報産業に転身する必要に迫られている。