青果物の週間情報 【2021-W12】

■週の概況 第12週 3/15(月)~ 3/19(金)

【全体】
 三寒四温を重ねながらもしだいに春らしい気候になってきた。野菜の生育はまずまず順調であり、全体的に入荷は増える見込みである。特に春野菜・新ものが出そろってきた感がある。それにあわせ消費は活発となり、中でもサラダ系野菜は引き合いが強くなってきた。市況は土物類こそ高値感が残るが、増量により値ごろ感の出せるレベルに値を下げる品目も多く、全体的に売りやすい環境になると期待できる。週末は連休も控え、一層動きが良くなってくるだろう。
 また流通事情として、この週水曜日は九州、京阪神、中部の市場が休市となるのにあわせて火曜日出荷を休む産地が多く、水曜日は西日本側を生産地とする青果物の荷が薄くなる可能性がある。

【野菜】
 春キャベツ(愛知)、春きゅうり(群馬)、新じゃが(鹿児島)、新玉ねぎ(静岡)、新人参(徳島)、春だいこん(千葉)、新ごぼう、ファーストトマトなど、春物・新ものが出そろってきた。季節感を存分に打ち出して販売できる環境だ。
 葉茎菜類では愛知県産春キャベツ、九州産アスパラ、石川県産ブロッコリー、愛知の促成ふきなどが春向きの食材として売り込み時だ。特にブロッコリーは値ごろ感がある。レタスもサラダ野菜として動きが出てきている。ほうれん草・小松菜など菜類は安値安定傾向が続く。
 果菜類は全体的に増量弱含み傾向だ。トマト・キュウリ・ナスなど主力品目は軒並み値ごろ感を増す見込みで、拡販につなげたいところだ。
 根菜類ではなんといってもタケノコが目玉で、この週より徳島県産(全国的に唯一の表年産地)が4kg箱となりいよいよシーズン開幕。和歌山県産も連日販売となる。人参がやや不安定で、愛知碧南産が平年よりかなり早期に切り上がったが、西南暖地からの入荷でつなぎ、品薄感は回避できそうだ。地物のサツマイモは末期に入り、やや品質に注意が必要となってきた。蓮根は安値感がある販売である。土物類では北海道産がいよいよ末期で、この週内にも切り上がる気配であり、品薄高値傾向が続く。玉ねぎはまだ残量がありそうで、保合予想である。

【果実】
 国内果実では中晩柑類のアイテムに品目の入れ替わりが進む。いよかん、せとか、文旦などは終わりに向かい、清見、小夏、日向夏などはこれからだ。主力のデコポンはまだまだ健在である。またいわゆる「木熟もの」といった樹上での生育を長くして糖度を高める栽培をしたものも出てくる。りんごは青森県産サンふじ、王林など潤沢であり、価格も安値傾向だ。イチゴは愛知・九州から昨年より安定したペースで入荷している。メロンではアールスメロンは気温の上昇から品質上位のものが増えてきた。アンデス系のその他メロンも少しずつ量を増している。国内産キウイは例年より数量が少なく、出荷終盤に入る。
 輸入フルーツではバナナは安定して入荷。シトラスではオレンジが主役となり、レギュラー品・高糖度系含め数多くのブランドが入っている。マンゴーではタイ産が今後増量する予定で、独特のしずく型はまだまだ日本に定着したとは言えず、拡大の余地がある。タイ産マンゴーには糖度の高いナンドクマイ種と赤みの強いマハチャノ種がある。ブドウ類は産地が豪州産に中心が移ってくる。