金沢市中央卸売市場の正門前に交番がある。
名前を「西念町交番」という。
47年間にわたり市場およびその周辺の防犯に寄与してくれた交番であるが、この3月24日をもって移転することになった。
地域周辺の環境変化や施設の老朽化が理由である。
移る先はここから約800メート離れた場所となり、残念ながら卸売市場を真ん前で見張る立地ではなくなる。
実はこの交番が建っている地は我が社の地面である。
昭和47年(1972年)に金沢市と市場運営協会が石川県警察本部に陳情し、昭和48年5月1日に設置されたものだ。
市場運営協会が建設し、警察に寄付するという手法を取ったそうだ。
敷地となったのは市有地約58坪だったが、それを当社用地と等価交換したのである。
市場正門の目の前に交番があることは、治安の面で大きな意味があった。
移転をもって犯罪が増えるわけではなかろうが、今後市場は、自主的な管理・運営を強化すべきではないか、との議論が出ている。
そのとおりだと思う。
市場に駐車する権利のない車が許可なく無断駐車するのが問題になっている。
商品の盗難事件も残念ながら起こり得る。
交番は一定の抑止効果があったと思うが、その加護はもうなくなってしまう。
また、市場正門前は車の交通量が激しく、ターレーなど業者の運搬車もひっきりなしに出入りする。
信号がないので、すべて一時停止しながらドライバーの自己判断・自己責任に安全が委ねられる。
事故の多い危ない場所だ。
市場関係者全体で安全意識を高め合う試みが必要だろう。
さらば西念町交番。