■週の概況 第14週 3/29(月)~ 4/3(土)
【全体】
生産や消費の状況よりも、会計年度末という経済事情が絡む、一年でも特殊なタイミングだ。特に週の前半は売り手側の攻勢に対し買い手側は渋りがちとなり、動き自体は停滞しがちになるだろう。青果物の出方はおおむね順調なので、野菜の相場は下押しの品目が多くなると予想する。
首都圏の緊急事態宣言が解除され、若者を中心に多くの人出が戻ってきた。これに業務需要は敏感に反応し、少し上向いてきた感はある。しかし、解除後の全国的な感染急増も心配されるところで、この週は桜が満開となり最高の行楽日和を迎えるものの、消費動向は極めて不透明な状況だ。
【野菜】
葉茎洋菜類は全体に横這いの予想ながら、動きは重たい見込みだ。キャベツは安価で潤沢であり、特売用には最適である。ほうれん草・小松菜など菜類も値ごろ感がある。ネギはまだ不作傾向から脱しておらず、高値基調がしばらく続きそうだ。また、モロヘイヤのような初夏に向けての季節商材も少しずつ顔を見せてきた。
果菜類は増量が順調に進んいる品目が多く、弱含みで価格を下げるだろう。サラダ需要が高まって他の部門と比べ動きは悪くない。ただしトマトは大玉クラスで引き合いあり強含みとなるだろう。
根菜土物類は単価高品目が多いこともあって売れ行きにはブレーキがかかった感あり。タケノコは各産地出そろって連日の販売となり、増量で下げるのは確実。ようやく一般家庭に売り込める価格帯となるだろう。ただし徳島以外は裏年であり全体数量は少ない年となる。
【果実】
国内果実は施設物が増えてくる時期だ。さくらんぼ、西瓜、メロン、マンゴーなどが目立つ。ビワも顔を出してくる時季だ。柑橘類は漸減傾向で、主役級が終了し、樹熟デコポンや小夏、セミノール、カラマンダリンといった脇役クラスが増えてくるタイミングとなる。イチゴやりんごは潤沢な入荷を見込む。
輸入果実はバナナがフィリピンの干ばつにより数量減の上げ模様だ。シトラス系も数量が伸びず、GFやレモンは上げる見込みであり、オレンジにも影響してくるかもしれない。アボカドは冷害で少なく、今後中長期的に見ても上げ相場が続くと思われる。国際政治的な背景もあって注目度が高い台湾産パインは、通関が順調に切れるかが増減の決めてとなっており、この週の流通量は不安定だ。