石川県内のたけのこ産地のトップを切って、本日、JA小松市の初せりが行われた。
今年、石川県は裏年であり、小松市産は昨年の33トンより少ない25トンの出荷を目標にしている。
小松市農協の共選出荷者は21名。
この地のタケノコの特徴は色の白さと甘みだ。
こちらでは色の真っ白な上物のタケノコを「白子(しらこ)」と呼ぶ。
鮮度が高くえぐみが少ない証拠で、茶色いものよりも高値が付く。
今季は程よい雪が降り、その雪がゆっくりと溶け出す水でタケノコが育ったので、裏年で量は少ないが上質のものができるだそうだ。
初せりに先立ち、生産者代表の橋本さん、JA小松市の森常務よりご挨拶をいただいた。
裏年で橋本さんの山は昨年の10分の1程度しか採れないかもしれないとのことだ。
また、猪の被害は小松でも出ており、普通より早めに収穫しないと先にやられてしまう。
よって、例年より若い段階、小さい段階で収穫することが多くなっているそうだ。
注目の地物初登場とあって、せりは久々に盛り上がり、最高値は1箱9000円の高値がついた。
5月上旬まで出荷が続く。
地物のタケノコは格別だ。
本来の旨味からいうと、大産地徳島県産の方が上かもしれない。
だが、タケノコほど鮮度が命の野菜はない。
掘ったらすぐにさっと湯がいて薄くスライスすればお刺身のように食べられる。
地物のタケノコならではの食べ方だ。
石川県はタケノコの生産量から言えば弱小産地と言えるだろう。
後継者不足、耕作放棄地もますます深刻化している。
だが、金沢市産のたけのこは「加賀野菜」の認定品目になっており、古くから春の食卓には欠かせないものだった。
あと半月ほどで金沢市産も始まる。