晴れて4月に入社した女子社員2名の農業体験研修を引率した。新人は男子も1名いるが、日曜日の野球で足をねん挫したため休ませた。本人は「平気です、一緒に行きます!」と食い下がってきたが「いやいや、こんなとこで無理しても何も意味ないし」とサラッと却下。4月下旬には南瓜の定植という大仕事で嫌というほど作業できる。覚悟して待て、青年。
かわいらしい女子2名の研修とあってか、河北潟ファーム菜四季の農場長はサービス精神旺盛だった。2名は生まれて初めてトラクターに乗った。私ですら未経験なのに。免許のない身分でトラクターに乗るのは法律違反では?との私の問いに農場長は「公道を走行すると違反だが自社農場内では問題ないのでは?あれ?いや?」とか言っているので、念のためエンジンはかかっていない状態での試乗に留めておくことにした、ということにしておく。2名は農業研修というよりテーマパークに遊びに来た女子学生のノリで、構えたカメラに対してピースポーズであった。
私は一旦ここで会社に戻り、5時間後にまた迎えに行った。今度、2名はぐったりしていた。それなりにハードな作業をやらされたらしい。人生初の農作業は甘くなかった。
こういう経験は決して無駄にはならない。本来ならば、新人・ベテランに関わらず年に何回かは研修機会を設けて、生産現場との距離感を縮めるのが望ましい。だが卸売業の世界にどっぷり入ってしまうと極端に機会がなくなってしまうのが現状だ。余裕がないと言えばそれまで。仕組みとしてセッティングするのが私の役目かもしれない。