昨年の振り返り
昨年4月10日のブログで空振り三振の顛末を書いた。本年はリベンジのリベンジ、三度目の正直である。例年通り、金沢市寺町「妙福寺」でたけのこ感謝祭が催された。昨年は祝辞を用意していったのに、全農いしかわの平野氏が断りもなく私をすっぽかし(笑)、心を込めた祝辞は不発に終わった。会社に帰ってこのことを嶋田部長に報告したら、ご丁寧にも平野氏に「うちの岡嶋に恥をかかせやがって」と文句の電話をした(笑)。平野氏は「来年こそは必ず」と約束し、今年を迎えたわけである。
自己満足のリベンジなる
今年はダークスーツに身を包み、お数珠持参を忘れず、万全の体制で妙福寺へ。原稿は昨年のをちょっと手直ししただけのやや手抜き調。石川県野菜園芸協会の西沢会長のご挨拶、石川県農林部の中出次長の祝辞と続く。司会は平野氏に代わって全農いしかわの清水氏が務めた。「続きまして、丸果石川中央青果の岡嶋専務さまよりご祝辞を頂戴いたします」。おおっ、清水氏はすっぽかさなかった!私は清水氏が好きになった。用意してきた原稿を読み上げると斜め向かいの方が頷きながら聞いてくれている。おおっ、どこのどなたかは存じませんが、あなたにはわかるのですね、この祝辞に込めた私の思いが。リベンジは自己満足的は大いに果たされた。
読経中だけ雨が降る
寺の中でのお経が終わると、この地にタケノコを根付かせた江戸時代の藩士・岡本右太夫氏の墓に移動して読経となる。皆が外に出た瞬間からけっこう強い雨が降り出した。幸い全農いしかわのスタッフさんがビニール傘を用意してくれたので我々はぬれずに済んだが、スタッフや報道関係は濡れそぼってしまった。約10分間のお経。不思議なことにお経が終わったとたんに雨が降りやんだ。我々が外に出た間だけジャストに降ったのだ。これは縁起がいいのか悪いのか。タケノコにとっては恵みの雨だ。びしょ濡れになった方々は気の毒だったが、これは吉兆と捉えたい。
今年の祝辞を記録する。ほぼ昨年の不発原稿と同じではあるが。
第54回たけのこ感謝祭のご開催、まことにおめでとうございます。
始めに、地元のたけのこを愛する者として、心から喜びの意を表します。堀りたてをサシミのように食べられる鮮度感、また、昆布と一緒に炊く独特の食文化は、地物ならではの贅沢です。
昨年・今年と新型コロナウイルスで家にこもりがちな風潮の中、たけのこのある食卓を家族で囲めることは、人々にとって大きな安らぎとなるでしょう。心からお喜び申し上げます。
また、流通にたずさわる者として、生産者、農協関係者、市町村役場、他、ご尽力いただくすべての皆さまに心より感謝申し上げます。
岡本右太夫翁が明和3年、1766年に江戸から初めて孟宗竹を導入されて以降、たくさんの心ある人々が「石川県産たけのこ」の歴史を紡いできてくださいました。そのご努力のおかげで今日があります。たけのこは、一般野菜の栽培とは大きく異なりますが、山の手入れに手間がかかり、収穫は重労働です。生産者の皆さまのご苦労に対し、感謝の念に堪えません。
最後に、卸売市場を代表して、集荷販売に対する決意を申し上げます。石川県の市場人(いちばじん)は、金沢・小松・白山・津幡、各地域の皆さまのご期待に応えるべく、全力を尽くして有利販売に努めます。
今年は裏年にあたり、昨年の実績500トンの半分以下になることは避けがたい環境ではございますが、例年より獣害は少なく、きれいで高品質なものが多いと聞いております。例年以上に有利販売が心がけ、地元の消費者はもちろん、全国のマーケットに向け、石川県産たけのこをPRし、販売して参ります。
結びに、石川県野菜園芸協会の益々のご発展を祈念申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
令和3年4月16日