近江町市場開設300年記念

記念式典を開催

 昨日4月22日、近江町市場が開設300年を迎え、記念式典が行われた。近江町市場は享保6年(1721年)の開設とされる。藩政時代は加賀藩御用達の市場として栄え、明治~昭和は戦争など時代の荒波の中をたくましく生き抜き、現代も数々の再開発を経て300年の歴史を紡いできた。

市民の台所が本分

 私は近江町出身である。3歳まで住んでいたし今でも本籍は青草町(近江町市場の一部の住所)だ。愛着は深い。今や観光の名所となったが、近江町市場はあくまでも「市民の台所」であり続けなければならないと思う。そして次は400年だ。

300周年の記念事業

 300周年を機に振興組合はいくつもの記念事業を行う。
①毎月第3金曜日を「市民感謝デー」とする。各店で特売が組み、駐車場を1時間無料とする
②「金沢市民の台所 近江町市場三百年史」を発刊する(編集委員長:石田順一氏)
③個人の応援隊「おみちょサポーター」を募集し、近江町の魅力をSNSで発信してもらう
④動画サイト「おみちょチャンネル」を開設し、小売商のプロが情報を提供する

近江町市場の沿革

 以下、近江町市場の大まかな節目を記録する。
【加賀藩御用達の市場】
天正8年 佐久間盛政が金沢城主となり、近江町など尾山八町が誕生
享保6年 近江町市場の開設年とされる
明治10年 魚市場免許となる
明治11年 青草物市場免許となる
【金沢市民の台所】
明治37年 金澤青草辻市場官許される
大正15年 魚騒動「近江町争議(第1次)」及び「大国まつり」
昭和7年 魚騒動「近江町争議(第2次)」
【終戦後の復興と近代化】
昭和31年 ネオンサイン、天幕アーケード完成、「大国まつり」復活
昭和40年 近江町市場商店街振興組合設立
昭和41年 金沢市中央卸売市場開設により近江町は小売専門となる
昭和45年 「大国まつり」を「市場まつり」に改称
昭和46年 近江町パーキングビル落成
昭和56年 上空からアーケードが「くノ一(女)」の字形となる
【再開発】
昭和63年 「近江町鍋」スタート
平成15年 「市場まつり」が「大行燈まつり」にリニューアル
平成18年 「近江町市場」の名称を商標登録
平成20年 「近江町いちば館」仮オープン
【そして現在へ】
平成21年 「ちかちゃん」「えっちゃん」誕生、近江町いちば館グランドオープン
平成22年 「近江町市場憲章」制定
令和2年 「近江町ふれあい館」オープン
令和3年4月22日 近江町市場300年記念式典開催