■週の概況 第18週 4/26(月)~ 5/1(土)
【全体】
言うまでもなくゴールデンウィークに突入する週だが、今年も前例のない社会情勢で見通しは不透明だ。コロナで日本中・世界中が異常な状況下にあるのは昨年どおり。帰省する人と観光客は今回も激減するのは確実だ。
一方で生鮮青果物は昨年のような極端な巣ごもり需要が今のところ見られない。“外出は悪”というムードが蔓延した昨年同時期と違い、それなりに人々は出歩き、買いだめ傾向もなし。肉を筆頭にバーベキュー向け食材や惣菜の売れ行きは好調のようだが、青果物の動きは残念ながら鈍い。しかも昨年は野菜全体の品薄+巣ごもり需要で単価高だったのに対し、今年は潤沢な出回り+特需なしで単価安だ。よってスーパーの青果部門は前年比80%~90%の売上に留まっている。
以上のような傾向は、ゴールデンウィーク中も継続すると見る向きが強く、残念ながら青果物全体としては厳しい環境が予想される。しかし、高値の商材より割安な品目が圧倒的に多く、値ごろ感あるものの動きは悪くない。数量拡大に重点を置いての売り込みが効果的だろう。
【野菜】
葉茎葉菜類では、ブロッコリーは安定した入荷、キャベツはGWに向けて価格の上昇が予想される。レタスも兵庫県産は安定するが茨城産が減少傾向でやや強含みの展開。ネギは端境期が続き高値推移が続くだろう。アスパラの地物は霜の影響で不足感がある。山菜類はノブキ、わらびが増量が見込む。
果菜類では、胡瓜が各産地ピークを迎え、入荷増量となる。トマトは地物が徐々に増加し、ミニトマトも各産地微増。逆にナス、長ナスは天候の影響で週を通して品薄傾向だ。
根菜類では、徳島産の人参が本格的な入荷。大根も千葉産をメインに安定する。さつまいも、レンコンは県内産が減少し強保合の予想。里芋は鹿児島離島物が始まる中、全体にひね物が少なく不足感がある。筍は他県産の切り上がりが早く、石川県産は生育遅れが見られ、週前半は量が大きく少なくひっ迫の予想。土物類では馬鈴薯が長崎県産の入荷でややひっ迫感を解消するが、牛蒡と同様、慢性的な高値推移を維持しそう。反対に長芋は低調、玉葱も愛知産が安定し前週同様低調な販売環境が続く。
【果実】
国内果実では、メロンは熊本県産のアンデス系が微減となり、赤肉系は少ないながらも安定するだろう。茨城県産はアンデス系・赤肉系どちらも安定し、GW前まで堅調な動きが予想される。桜桃は霜、マンゴーは低温の影響から不足感が見られる。スイカは熊本、高知、群馬(小玉)よりの入荷となり、特に熊本産の増量が目立ちそう。イチゴは微減傾向、中晩柑橘は、高知県産の小夏が少ないながらも安定した入荷となる。りんごは依然として潤沢な入荷だ。
輸入果実では、バナナは需要期で引き続き強い販売環境が続くが、数量は順調。その他の品目は入船の不具合で不安定な入荷状況となっている。コロナ禍で米国や中国の港湾におけるコンテナ船が停滞しており、安定した航路が確保されていないのが原因。全体的に数量不足に陥っており、GWは品薄を余儀なくされる。キウイは、グリーンがスタートしたが、日本向け高糖度モノの生育が悪く、計画よりも大きくショートしたスタートとなる。台湾産パインは引き合いが強く、供給が需要に追いついていない状況で品薄だ。