季節が変われば食も変わる

まだ日中は暑いですが、朝晩だいぶ涼しくなりました。
本当に今年の夏はひどい酷暑でしたね。
(このセリフ、毎年言っているような気もします。)

気候が変われば、食べたい物が変わります。
夏は冷たいものが食べたく、秋は暖かいものが欲しくなります。
この変化はもう露骨です。
スーパーマーケットの食品売り場は売れ筋が一気にチェンジします。

売れ筋は今が何℃かという絶対温度ではなく、昨日から何℃気温が上下したかという相対温度に左右されます。

まだ28℃なんだけど昨日35℃だったから、なんか急に鍋が食べたくなってきた、という感じです。

なので、2週間先の特売チラシを常に考えているスーパーにとっては、その時の気候がどうなっているか、どのタイミングで変化するのか、を読むのはとても重大な仕事です。
「ウェザーマーチャンダイジング」なる分析手法が発達するくらいですから。

で、今は夏の暑さから秋の涼しさへの転換期ですが、「暖かいものが欲しくなるといっても、それはおでんの具材ではなくって、石川県で言えば『とり野菜みそ』で食べる鍋商材が売れるということだよ」と教えてくれたのがうちの会社で野菜部門を統括している嶋田部長です。

おでんはもっと寒くなってからが本番なので、今、大根はそんなに動かない。
大根は今、大根おろしにしてサンマにつける程度です。
ああ涼しくなったなーという今なら、白菜やねぎ、きのこが主役です。

だから地元・石川県産の上記3品がそろそろ増えてくるのはとても理にかなったことなのですね。

その季節のあるべき気候が狂ってくると、売れるべき野菜が売れなかったり、逆に旬でないものが流行ったりします。
また、暑さ寒さの程度も大事です。
夏はスイカ!というけれど、35℃まで上がるとスイカはパタッと売れなくなって、みんなアイスクリームに流れます。
ものには「適度」というものがあるのです。

春は暖かく、夏は暑く、秋は涼しく、冬は寒く。
その季節に見合った気候がきちんとやってきてくれるならば青果物は順調に売れていきます。
なので昨今の異常気象の連続は、農産物を扱う者にとっては本当に困った事態なのです。

まあ、そういう難しい業種だからこそ、うちみたいな会社が青果のプロとして働けるわけですが。

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