■週の概況 第22週 5/24(月)~ 5/29(土)
【全体】
全国的に、例年に比べ記録的に早い梅雨入りとなった。北陸地方は発表こそまであるが、実態は梅雨入りも同然だ。まとまった雨が連日続き、青果物に大きな影響が出始めている。この週、野菜は日照不足による生育停滞で数量が減少することは避けられない。特に果菜類でその傾向が強く、すでにナスやキュウリで品薄感が出ている。これまで安値感が強かった野菜は強含みに転じ、多くの品目で短・中期的に上げ相場となるだろう。
また、今後は品質劣化が懸念される。雨の影響で軟弱野菜を中心に品傷みが出やすく、虫食い、水腐れが多発する。店持ちの悪い野菜が増えるため、こまめな検品と回転の速い仕入れ・販売が重要だ。
長期的には、青果物は例年と異なる出荷ペースになるだろう。総じて前進出荷傾向だが、この梅雨でさらに早い出回りと早い切り上がりが顕著になる。
【野菜】
葉茎洋菜類では、ブロッコリーは県内産地が出揃い潤沢に。レタスは長野県産を主体に安定。白菜は降雨の影響と産地端境で不足感が見られ上げ。キャベツは数量は順調だが大玉傾向である。ネギは依然品薄傾向だが、徐々に回復が見込まれる。
果菜類では、胡瓜が長雨で高知産の減少となり、後続の福島産も少ない見込み。ナスは九州の梅雨で数量は激減。雨次第で次週も品薄が続く。反対にトマトは各産地からの出荷が出揃い安定した入荷が見込まれる。
根菜類では、大根と人参が雨による品質劣化が散見される。かぶは青森産が例年より1週間ほど早い入荷開始。レンコンは愛知産の入荷を開始。玉葱は梅雨の影響で各産地出揃わず、価格は上げ。馬鈴薯は長崎産が出荷のピークを迎え、静岡産もスタートし潤沢。季節の梅は古城から南高の入荷。らっきょうは県内産が徐々に増加するが高知産、鳥取産は少なく品不足感が見られる。
【果実】
国内果実では、引き続きスイカ、メロンが中心で、大玉スイカは概ね順調、メロン類は茨城産主体に切り替わる。りんごも潤沢。桜桃は無加温に切り替わり微増傾向だ。施設物では山梨産のプラムが前年より早いスタートを切った。
国外果実では、バナナの入船遅れが解消し、安定した入荷が見込まれる。値ごろ感もあり需要は高い。レモンは入船遅れと国産の少なさから品不足感あり。アメリカンチェリーは極めて順調で豊作であり、産地で降雨がなければ6月まで安定した入荷が続くだろう。NZ産キウイや台湾産パイナップルは、安定した入荷で量販拡大が見込まれるが、メキシコ産アボガドは産地の谷間で減少傾向だ。月末より台湾産アップルマンゴーがスタートする予定である。