二度の延期を経ての開催
本日、珍しく日本舞踊を鑑賞してきた。会社の子が習っており、案内をくれたのだ。宗家藤蔭流。当地金沢では藤蔭喜代枝氏が長年ご活躍されたが、数年前に他界された。今回はその三回忌追善舞踊会とのことだ。ただ、コロナのため二度の延期を経ての開催である。今回も主催者は直前まで開催を悩まれたそうだ。このご時世、お気持ちはよくわかる。だが今の世は同調圧力が目に余る。スポーツイベントはそれなりに集客しているくせに、映画館や美術館などが休業するなどバランスが取れていない。ある程度コロナ対策をしているならば、まったく自粛する必要はない。会場の赤羽ホールでは、来場者一人ひとりに問診票を書かせ、ホール内の座席は一つ飛びでディスタンスを保つ。スタッフはフェイスシールドをしている。万全だ。
会社の子に拍手
会社の子はとてもうまく、美しく踊りきった(と私には見えた)。舞台上や舞台袖で衣装の早替えのある大作だった。舞踊会全体の中盤どころの演目だったが、一番お客さんが多かったのではないか。親しい人の発表は観ていてハラハラドキドキする。上手・下手はわからないのだが、転んだり、忘れて真っ白になったり、トラブルがおこらないようにと手に汗握ってしまう。私のような日本舞踊に疎い者がする心配はレベルが低い。
日本舞踊の面白さ
この日は、会社の子の出番以外に2つほど観て帰っただけだが、非常に面白く拝見した。長唄や清元をバックに踊るので、音楽の調べには馴染みがあった。長唄単体の発表会は(自分が習っていてこういうのは何だが)どこが面白いのかさっぱりわからない。だが舞踊が付けば華やかだ。流派によって特徴がある。藤蔭流は踊りながら足をドン、ドン、と踏み鳴らす所作が結構出てくる。また、女性で着物なのに、足を開きガニ股で踊る振り付けも頻繁にあるのに驚いた。
日本舞踊のこれから
この世界も長唄同様、参加者の平均年齢が高く、子供や若い女性は少ない。日本舞踊はお金が桁違いにかかると聞く。発表会に出るならば、ン十万円ではきかないレベル!ここをなんとかしないと裾野は広がらないのではないか。また、長く続けられないのではないか。会社の子もこれが最後の舞台になるかもしれない、ということを言っていた。大変素晴らしい日本の伝統芸能だ。一部の裕福な者だけができる狭い世界であってはもったいない。