■週の概況 第23週 5/31(月)~ 6/5(土)
【全体】
九州地方を中心とする大雨の影響で、野菜は全体的に数量減少で強含みだ。雨に当たって病気や虫などの品質不良も気になるところ。果菜類は日照不足で生育中のものが花落ちする現象もみられ、数量回復にはしばらく時間がかかるだろう。多くの品目が少量高値に振れるので、今まで安値感の強かった大玉トマトの動きが活発化することが期待される。同じく安値だった玉ねぎが品薄となり、高値だった馬鈴薯が潤沢になるなど、つい半月前とはあべこべの展開も見られる。
外出自粛で外食産業は長期的な不振が続いている。家庭消費も昨年ほどはパッとせず、青果物は単価が上がっても「需要>供給」という図式ではない厳しい状況だ。販売環境は決して良くないが、時節的には夏野菜・夏果実に移行する時季であり、季節感を打ち出した品揃えが重要となるだろう。
【野菜】
葉茎洋菜類では、レタスがひっ迫したが、この週徐々に回復へ向かう。ブロッコリーも端境だったが、回復の兆しを見せる。白菜は、需要減少ながら出荷数も少なく上げ模様。キャベツは愛知産から茨城産への切り替わり時期で、6月中旬より長野産もスタートする。菜類では、小松菜が強含みながら前年よりは安値だ。季節商材として愛知産のシソの入荷がスタートする。
果菜類では、梅雨の影響が顕著に見られる。胡瓜・ナス・ピーマンは、降雨の影響もあり入荷量は減少・品薄傾向だが、天候が良くなれば翌週以降には徐々に回復する見込みだ。前年より1週間ほどの遅れながら、県内産の赤皮南瓜がスタートする。
根菜類は、初夏の産地へと切り替わりを見せる。人参は岐阜産がピークを迎え量販可能。ごぼうは前年より少なく高値推移だが、徐々に増加見込みだ。馬鈴薯は長崎産が潤沢で量販可能。前週同様、長芋は引き合いが強く、生姜も需要が高まっている。生姜は高知産に加え和歌山産の入荷もスタート。季節商材では、らっきょうが県内産のピーク。梅は南高主体の入荷へと切り替わる。
【果実】
国内果実では、メロンとスイカをメインにぶどう類や施設物が増加する。メロンは茨城産、熊本産中心。愛知産メロンは、イエローキングが露地でピークとなるに加え、タカミが大玉・豊作傾向でスタートする。スイカは千葉、長崎に加え、翌週以降にはいよいよ県内産がスタート。小玉西瓜も翌週以降に県内産が始まるだろう。施設物では、佐藤錦・紅さやか等の桜桃の入荷。愛知産、佐賀産のハウスみかんも入荷する。いちじくは、気温の上昇次第では、数量の増加が見込まれる。
国外果実では、バナナは入船遅れがあるが、徐々に安定する。シトラスではグレープが順調に増加。品薄だった米国産レモンも、ようやく回復が見込まれる。アメリカンチェリーは引き続き順調な入荷。NZ産ゴールドキウイはや台湾産パインは需要も高く量も潤沢に確保できそう。マンゴーはメキシコ産に加え台湾産のアップル種を入荷する。短い期間ながらベトナム産のライチが「ルックガン」という昨年から日本向けにスタートした品種で入り、食味も良好で6月中旬まで入荷予定。