金沢すいか初せり
連日のように地元産の農産物が登場している。本日初売りを迎えたのは金沢市産のすいか、その名もまんま「金沢すいか」だ。石川県産青果物のエース格である。県産で販売高が最も大きいのがすいかで約13億円、そのうち7割をこのJA金沢市が占める。
産地紹介
栽培の中心は砂丘地である金沢市安原だ。今年は59戸の農家が部会を組織し、計105ヘクタールで作付けした。水はけが良く、昼夜の寒暖差が大きい砂地で栽培されるため、病気にかかりにくくシャリッとした食感に仕上がる。7月上中旬にピークを迎え、7月いっぱい流通する予定だ。
大人しめながら力強く
今日の初せりは、コロナ禍のため試食会はなし。金沢市長やJA金沢市組合長のトップセールスも自粛して、大人しめの会となった。せめてものPRと配られたのが写真のマスクだ。普通の不織布のマスクにたくさんのスイカの絵をあしらったもの。いくつか生産地が作った販促用マスクをもらってきたが、今回のが一番派手でかわいらしい。
厳しかった栽培環境
今年は4月5月の天候が悪かったので、着花が難しかったという。付いていた花が落ちてしまったり、その後もうまく付いてくれなかったり。着花が悪いと生育が滞る。玉は小さくなりがちで、果形も頭の方が先細るなど悪くなる。丸々とした西瓜のイメージを損なえば等級が落ちる。金沢市農協の西瓜は秀品率8割を誇る。その秀品率が落ちることは収益減に直結するのだ。幸い、産地の努力とその後の天候回復で、なんとか今後はリカバリーが可能とのことだ。
しっかりと販売を
昨年は長梅雨の影響でピーク時の販売が苦戦し、一時市況は低迷し、品物はだぶついた。しかし後半になって猛暑となり、今度は全く反対に品不足に陥った。シーズン全体を見れば、金沢市産のすいかは割を食った方だ。その後続の能登産、東北産にとっては良い環境を享受できた。すいかはその年の気候の影響を強く受ける。ある程度の暑さがよろしい。猛暑・酷暑はアイスクリームやかき氷に流れる。ある程度が良いのだ。我々はその年の気象環境に注意深くアンテナを張り、先手先手と先を読みながら販売をしていく必要がある。