くだものの輸入元が増えている
ひと昔前は輸入フルーツと言えばアメリカばかりで、せいぜいバナナがフィリピン、台湾だった。今では相手国が増えてすっかり定番化した。バナナはエクアドル、グレープフルーツが南アフリカ、スイーティーがイスラエル、キウイがニュージーランド、ぶどうがチリ、オレンジがオーストラリア、アボカドがメキシコなどなど。最近はさらに多様となり、マンゴーはブラジル、タイ、ペルーなどから入っている。
アメリカ農業の変化
これにはアメリカの農業事情が関係している。広大な国アメリカは農業も盛んであるが、先に書いたフロリダの例(2021年1月21日のブログ)のように、時代とともに大きく変遷するのだ。昔は大産地だったのがそうでなくなる。品目・品種の流行り廃れもある。当然、代替産地を求め、他国の農業開発・産地開発が盛んとなる。これは日本よりもまずアメリカ自身が求めるのだ。
ワールドフルーツは南米中心へ
よって必然的に開発国は南米となる。南米でフルーツ栽培・輸出を盛んに行うようになった企業は、多くがアメリカ資本である。かつて日本の製造業が中国に進出して安い労働力を利用し、中国の人件費が高まるやベトナムに軸足を移していったように、米国の農業界も南米を中心に次々と開発を広げていく。この傾向は今後ますます増えていくだろう。