ここ1~2年ほどでブームに
フルーツサンドがブームである。どうも昨年あたりから盛り上がってきたらしい。ブーム発祥は愛知県とか。金沢にも6月に入って専門店が何店もオープンした。そして、我が社のお客様の中にも、直接的、間接的に製造・販売に関わる方々が増えている。
サカイダフルーツのフルーツサンド
身近な存在で言えば金沢エムザで青果専門店を営む「サカイダフルーツ」のフルーツサンドがある。自社の加工場で自社生産しており、パンは金沢の人気パン店「新出製パン(しんでせいぱん)」を使っている。サカイダフルーツそのものが有名な青果店であるが、ユニークなのはフルーツサンドを他社にも卸していることだ。石川のスーパー、「マルエー」や「ニュー三久」でもサカイダさんのフルーツサンドが買える。マルエーのチラシに載っていたのを見てびっくりした。競合小売店の商品を売っている違和感をその時感じたが、この場合はサカイダさんは小売ではなく、メーカーという立場だから全然ありなのだ。サカイダの小池田一猛(かずも)さんに聞くと、「全然もうからないですよ」と謙遜されながらも、「マルエーの山本会長さんが、うちでもフルーツサンドを売りたいな、どこか作ってくれるところはないかなと発案されて、それにうちのがはまった感じ」と教えてくれた。
フルーツ坂野が協力するフルーツサンド
まだある。近江町のフルーツ専門店「フルーツ坂野」がくだものを納めるのが藤江町の「ミスターシェフ」だ。6月にオープンしたばかりのお店である。坂野さんは、近江町の本店で、新幹線が開業して観光客が増えたタイミングで、いち早く生鮮フルーツを使った食べ歩き用のフレッシュジュースを売り出した人である。まだ若いのに非常に才気溢れる人だ。ミスターシェフのフルーツサンドは、同じ親会社が手掛ける高級食パン店「おい!なんだこれは!」のパンを使っているらしい。どうやら今のフルーツサンドブームには、これまたここ2~3年で大いにブレークした新規出店の食パン屋とのコラボレーションが多いようだ。
一過性ブームか永続的か
他にも、5月に金沢市の竪町に「フルーツサンドシュシュ金沢店」が、6月には柿木畠に「白くま堂」、「金澤果実専門 三角堂」がオープンした。小池田さん曰く、フルーツサンドを手掛ける店は、金沢市内でおそらく10店舗以上あるのではないかとのことだ。タピオカブームは今は昔だ。それに代わってのフルーツサンドで、一過性のものだろうか。確かに今はブームはブームだ。いつまでもこの活況が続くものではないだろう。しかし、フルーツサンド自体は昔からあるものであり、有名店はしっかりした実績を残している。一時の流行でそれが廃ればすべてが消えるものでは決してあるまい。残るものは残る。願わくば、私のよく知る方々が手掛けるものは永続的に残っていき、ひいてはくだもの全体の消費の牽引役として続いてくれることを願う。それに対してサポートするのがうちの会社の務めでもある。