昨年より3日遅いが無事開始
本日、JA金沢市の「石川アールス」の初荷があった。石川県のアールスメロンだから、ネーミングが「石川アールス」である。JA金沢市のほかにJA松任も作っている。今年は4月の低温で生育が遅れ、5月以降は持ち直したものの、仕上げとなるこの時季に降雨による日照不足があったため、昨年より3日遅いスタートとなった。
優秀で美人の石川県産アールスメロン
アールスメロンと言えば、静岡県のマスクメロンが有名であり、高知県でも栽培が盛んであるが、この石川アールスも品質が良い。味は遜色ないし、かって玉の形がやや楕円だったが近年それも解消された。そして、一玉一玉を遮光し〝色白美人〟とでもいうべき真っ白い肌に仕上げている。見た目が上品で美しいメロンだ。
春作と秋作
金沢市における産地は下安原町が中心である。メロンの担い手はほとんどが西瓜も作っている。この〝春作〟は7月から8月中旬までの出回りでお中元・旧盆需要に対応する。春作の担い手農家は9人だ。一方、9月中旬から出荷する〝秋作〟を手掛ける農家もいる。秋・春を両方やる農家は少なく、たいがいはどちらか片方だ。両方は連作障害を回避するのが難しいからだそうだ。
仲間を高める
馬田弘一部会長はとても謙虚に述べられた。「部会のみんなを見ていると本当に感心します。水やりには大変苦労するものですが、皆さん見事に仕上げてくる。天候が毎年変わるので、いつも同じようにとはいかないのです。過去の天候とその時の栽培データをきめ細かく覚えている。みんなすごい記憶力です」。ご自身のことは横に置いて、仲間のことを称賛する。組織のリーダーはこうでなければいけない。
卸売会社の務め
コロナ禍で贈答用フルーツは昨年・今年と販売環境が厳しい。普通に売るだけでは前年割れは確実だ。新しいニーズ、新しい販路を開拓する必要があり、それが流通側に課せられた使命だろう。石川アールスはいいものだけに、しっかりと責任ある販売実績を残さねばならない。