社内若手研修(2回目)
6月22日(ブログ報告は26日)に続き、社内研修会の講師を務めた。本日のテーマは「出荷者の種類と特徴」である。
系統共販とは
市場流通で、青果物を出荷する中心的存在は、永年にわたり、我々の業界で言う「系統共販」である。この言葉がとっつきにくく、若手社員は「???」となる。平たく言えば農協である。「わが社は●●個もの農協から指定をもらっている」というのが、その卸売会社・卸売市場のステータスとなってきた。系統団体からの指定がその市場の信用の高さと取扱い規模の大きさを示した。それは今でも変わらない。しかし、出荷者の形態は昔よりも多様化してきたのも真である。農家の価値観が多様化し、「農協離れ」が進んでいるという実態があるからだ。生産者は昔の単協のくくりでは縮小傾向であり、それを打開するために農協合併ばかりが進んでいる現実がある。
複雑多様化する出荷形態
系統以外の出荷者は、任意組合、商人、商社、転送業者、他市場(卸・仲卸)、転送業者、そして個人農家などがある。個人農家の括り一つをみても、その形態は家族経営体から会社(株式会社、有限会社など)、農事組合法人など様々である。出荷自体は誰であってもできる。今、国内産農産物は、食の安全保障上、需要は高まっていく時代に突入する。その意味で農業進出(新規就農の道)はトレンドになる。そして、その経路の枝分かれがさらに細分化し、生産構造が複雑になればなるほど、我々卸売業者も必要度が増すことになる。よって、わが業界が斜陽である時代は終わった。理屈上は。
これからの卸売市場に求められる機能
ただし、生き残れるかどうかを保障するものではない。むしろ、中間流通はこれから淘汰が進むことになるだろう。コーディネート役に長けた業者は発展し、ダメな業者は没落する。若手社員達は、単に出荷者の種類と特徴を知るだけでは意味がない。自分たちで生産者を探し、育み、パイプを作っていく作業が卸の役割となることを理解して行動に移していかねばならない。