青果物の週間情報 【2021-W32】

■週の概況 第32週 8/2(月)~ 8/7(土)

【全体】

 例年なら、旧盆連休2週間前で市場は動きの静かなポジションである。まして今季の野菜は、昨年同時期が超高値だったこともあって、安値低迷のイメージがある。基本的にはこの週も同じ傾向をひきずるだろう。ただし、高温干ばつの影響で数量が激減している品目…例えば大根・人参…は玉太り悪く、欲しいサイズがひっ迫している。また葉物や洋菜類は猛暑の影響で生育不良、収穫後の傷み等が出やすく注意が必要だ。
 果実は前進化傾向が顕著である。特に桃の切り上がりは早いだろう。地物のスイカは終了に向かい、主力は梨(石川県産の幸水が週の後半からスタート)とブドウ類(大粒系も増量)になる。
 デルタ株の感染が急増し、首都圏に緊急事態宣言、石川県を含めた府県にまん延防止重点措置が再び発令され、業務需要への打撃は避けられない。五輪における日本のメダルラッシュで、ステイホームの巣ごもり需要が高まってくれることは期待したいが、青果物の相場全体を押し上げることは難しい見通しだ。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリーは前週同様に高温と干ばつの為、数量が少ない。レタスは品質の回復は見られるものの価格は保合で推移する。ねぎは県内産に加え、茨城、大分産から順調な入荷が見込まれる。菜類は作型の切り替わりから回復の兆しはある。
 果菜類では、台風8号の影響もなく概ね順調な入荷。トマトは県内産が終盤で、愛知産がピークとなり価格も下げる。香辛妻物類では、大葉やミョウガなどは引き続き上げ基調で推移する見込みだ。
 根菜類では、5日販売より加賀れんこんの共販がスタートする。東北以北の産地では、高温と干ばつが続いており肥大の遅れが発生している。大根、人参は太物が少なく、ばれいしょ、玉葱に関しても小玉傾向となる。9月頃まではこの状況が続く見込みで今後の入荷状況には注意が必要。

【果実】

 国内果実では、県内産の梨が始まる中、週後半よりいよいよ幸水の入荷がスタートする。昨年ほどではないにせよ数量は例年より若干少ない予想だ。西瓜は金沢市産の入荷が終了し、能登地区と山形産の入荷となる。ぶどう類では、ルビーロマンは県内各JAが出そろい徐々に増加が見込まれる。巨峰は山梨産、長野産を中心に地物も増加。シャインマスカットは山梨産、長野産、岡山産で前年より若干少ないながら徐々に増加する見込みだ。桃は福島産と山梨産で川中島白桃に切り替わり、数量の少ない状況が続く。
 国外果実では、チェリーが終わりがけで、バナナは船舶の遅延が発生している。