青果物の週間情報 【2021-W34】

■週の概況 第34週 8/16(月)~ 8/21(金)

【全体】

 金沢市中央卸売市場では7月末からクラスターが発生し、人々の不安感が拡大する極めて残念な状況である。感染は水産物業者に集中しており、12日から水産関係者を対象に一斉のPCR検査(500人規模)が実施された。青果部においてクラスターは出ていないが、感染対策を一層徹底し、市場業務を継続しなければならない。また、風評被害が懸念されるところだが、食品を介して新型コロナが感染する事例はなく、通常と変わらぬ運営を今後も継続していく。

 全体的な市況動向として、これまで潤沢安値だった野菜の流れを引きずり、コロナ禍で人の移動が少ないことと相まって、旧盆商戦は低調なムードだ。例年、品薄で大騒ぎする品目が少なからず出るが、今年はひっ迫するものはほとんどなく、悪天候もあって消費の鈍いお盆となりそう。しかし、盆が明けると、局所的に大雨となる影響で野菜の生育が不安定となり、状況が一変する可能性がある。8月31日の野菜の日をめがけ、相場が上昇する流れになりそうだ。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタスは干ばつで数量の落ち込みを見せていたもののひっ迫感は解消に向かう。ブロッコリーは北海道の暑さは落ち着いてきたが、入荷は少なく回復はまだ先になりそうだ。中国産の松茸は盆需要もひと段落し、入荷は減少傾向となる見込みだ。
 果菜類では、胡瓜は台風の影響から福島産、県内産の入荷は減少となり価格も上げ基調に転じる。茄子についても群馬産は強風の為、正品率の割合少なく堅調な価格推移となるだろう。ミニトマトは県内産が端境期で減少するが、翌週以降には回復する見込みだ。
 根菜類では、ばれいしょ、玉ねぎ、大根、人参の主要産地である東北以北では、降雨により干ばつは解消されつつあるものの、数量増には時間がかかる。また、盆休みの絡みで産地の出荷休みもあり、日々の入荷に注意が必要だ。青森産のかぶらは、台風の被害で入荷は減少する。県内商材では、レンコン、甘藷が安定した入荷が見込まれる。

【果実】

 国内果実では、西瓜は能登地区の入荷が終了する。梨は県内各JAより幸水が安定した入荷となる。ルビーロマンはピークも落ち着き入荷はひと段落する模様だ。他にも県内商材では、ぶどう類やいちじくの入荷が本格化する。先般の台風や連日の降雨により、裂果等の品質の低下が懸念されるところ。シャインマスカットは山梨産が露地作に切り替わり、連日の出荷となる。桃は盆需要も落ち着き価格は下げに転じるが、前進出荷と不作から前年より少ない入荷状況が続く。愛知産のグリーンハウスみかんが週後半よりスタートする。
 国外果実では、バナナの船舶の遅延が発生している。その他の品目については安定した入荷が見込まれ、価格は保合が予想される。